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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

国立公園の自然を活用した催し!【Kobo Trail 2024~弘法大師の道~】

2024年05月29日
吉野 土屋佳秀
みなさま、こんにちは吉野管理官事務所の土屋でございます。
 
 吉野熊野国立公園の自然を活用した催しである「Kobo Trail2024~弘法大師の道~」(トレイルランニング大会)が、「紀伊山地の霊場と参詣道」世界遺産登録20周年 記念大会として開催されました。
※弘法大師の道とは、空海が高野山を開く以前の若かりし頃に修行した道です。「少年の日に吉野山から1日南行し、さらに西に2日間歩いて高野山に至った」(詩文集『性霊集』)ことから、吉野山~洞川~高野山を結ぶこのルートが弘法大師の道としてよみがえりました。

 この大会のコースには吉野熊野国立公園の特別地域と世界遺産(大峯奥駈道)の一部分が使用されていますが、これらの区間ではストックの使用を禁止して土壌の浸食を防止するなどの自然環境への影響にも配慮がされました。

 コースは2つあり、吉野山の金峯山寺蔵王堂をスタートし、序盤は大峯奥駈道(熊野古道)を走り、大天井岳から西に向かい高野山の金剛峯寺根本大塔をゴールとする「K to K」55.7kmと、天川村洞川のエコミュージムアムをスタートし金剛峯寺をゴールとする「D to K」43.2kmの2コースです。私はK to Kへ参加してきました。

 大会の前日に、K to Kでは金峯山寺蔵王堂での夕座勧行が、D to Kでは龍泉寺にて勤行と水行の修行体験が行われ、大会の成功と参加選手の安全・完走をお祈りました。

 K to Kのスタートは朝6:00です。金峯山寺の僧侶の皆さんが吹く法螺貝と吉野山の皆さんに見送られ、心穏やかに走り始めました。
 この日は雨が降る悪条件で、コースの大半が稜線上の山々をアップダウンする、とても厳しい、正に修行の道でした。
 
 コースの途中に設けられているエイドステーションで振る舞われる、ご当地名物の「柿の葉ずし」や「天川村のプリン」「いももち」などが楽しみで、どれもとても美味しくて疲れた体に溶け込んでいく気がして元気がでました。
 
 最終盤の高野山の街中では、訪れている観光客の皆さんからも声援をいただきながら何とか無事にゴールすることができました。
   【スタート:金峯山寺蔵王堂】         【ゴール:金剛峯寺根本大塔】
 
 この大会は、奈良県と地元の市町村が主体で行われており、吉野熊野国立公園の豊かな自然と、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の修験道を体感することができる、他にはない価値のある大会でした。
 来年は10回目の記念大会にあたるそうです。是非、多くの方々に参加をしていただいき、大会と奥大和地域を盛り上げていただけたらと思います!

【大会ホームページ】