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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

猫崎半島自然観察会

2024年04月09日
竹野 久畑久美子

みなさまこんにちは。
竹野自然保護官事務所の久畑です。
先月、猫崎半島の自然観察会を行いました。
猫崎半島はキューピーが仰向けで寝ているような形をしている半島です。
登山道もあるのですが、今回は西側の海岸を散策する観察会を行いました。
西側の海岸では日本海形成の時代、火山活動が活発な時代の形跡を見ることができます。
ジオパークガイドによる地質、岩石の解説を聞きながら岩場を歩きます。
 
普段なら通り過ぎてしまう岩の壁の中のつぶつぶ。
火山豆石という火山灰が固まって小さな球体状になった物だそうです。
 
                      (ちいさな火山豆石)
 
貝などが岩に開けた穴や、くぼみにはまった石が波によって回転し丸い穴が開いたポットホール(甌穴:おうけつ)や、木の化石、動物の足跡化石など見どころがたくさん。皆で化石を探しました。

                 (動物の足跡化石を探す)
 
動物の足跡化石を発見。ステゴロフォドンという古代ゾウの仲間や、シカの足跡でした。
見れば見るほど全ての丸い跡や膨らみ、岩の傷が足跡化石に見えてきます。
 
いろいろな話を聞きながら海岸の一番端まで来ました。岩場はポットホールや亀裂などでボコボコして歩きにくく、下を見ながら注意して歩きました。
顔を上げると目の前にどーんと柱状節理(岩に規則正しく入った柱状の割れ目)が見えます。また、縦の節理の途中に横向きの地層が入り込んでいる不整合が見られました。
この先は切り立った崖で歩く場所がないためここで引き返しました。

      (一番大きなポットホールへ向かう)

他にもタイドプールの小さなアメフラシ(夏には20センチくらいの大物になる)、ぐんぐん伸び始めたハマウド、落ちて割れた小岩からのぞいていた葉っぱの化石などいろいろなものが見られ、とても楽しい観察会となりました。
お越しの際は歩きやすい靴でお越しください。
 
それではまた次回。