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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

ツキノワグマの痕跡

2024年02月29日
吉野 土屋佳秀
 みなさま、こんにちは吉野管理官事務所の土屋でございます。
 
 アクティブ・レンジャーの業務で吉野熊野国立公園や国指定大台山系鳥獣保護区の巡視を行っていますが、その中でツキノワグマの痕跡を見付けることがあります。
ツキノワグマに遭遇しないためにも痕跡を見付けることは大切です。痕跡があるということは周辺でクマが活動している可能性があるので、十分警戒します。
 
 昨年は、ナラ類のドングリが豊作だったので、ミズナラの樹上に「クマ棚」が出来ていました。
 樹幹に爪跡や、周辺に折れた枝がたくさん落ちていたら上を見てみてください。クマ棚を見付けられることがあります。

【木登りの爪跡があり、見上げるとクマ棚が!】


   【ミズナラの枝がたくさん落ちている(写真左)のを見付けて、上を見るとクマ棚(写真右)が!】
 
ツキノワグマは木登りが得意で,樹上で採食や休息をします。
樹上での採食の際には枝先のドングリを食べるために枝を折り、食べ終わるとその枝をお尻の下に敷き鳥の巣のように折り込むようです。

           【ツキノワグマの糞?】

真新しい大きくてカラフルな糞がありました。
ツキノワグマの糞かは分かりませんでしたが、心配なのでクマ鈴を大きく鳴らしながらその場を離れました。
 
※ツキノワグマは基本的には臆病な性格で人間のことを恐れています。クマが人間の存在を察知したらクマの方から逃げていきます。ですから、こちらの存在を早く分からせることが大切です。
クマ鈴を鳴らしながら行動して休憩時はおしゃべりをしたり、単独の時はラジオを鳴らしたりして、こちらの存在を知らせるようにしましょう!