アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]
アクティブ・レンジャーは見た!よしくまのディープスポット
2024年02月19日こんにちは、吉野熊野国立公園管理事務所の湊です。吉野熊野国立公園の沿岸部は、車の中にいると、エアコンのクーラーを入れようかと思うようなポカポカな日が多くなってきました。もう春はすぐそこです。
「満開のカワヅザクラ(宇久井ビジターセンター)」
「紀伊大島樫野崎ではタイリョウザクラが咲いていました」
暖かくなってくるとどこかに出かけたくなりませんか?そんなあなただけに先日行ってみた秘密のスポットを教えます、絶対、誰にも教えないでください!と言うと誰かに言いたくなるのは「カリギュラ効果」というらしいです。もちろん教えても大丈夫です。
吉野熊野国立公園の超有名スポットである橋杭岩は、何度も見ている私ですら、いつ行っても圧巻の景色に感動を覚えます。
「橋杭岩と散在する岩(写真は5月ごろ)」
ごろごろと転がっている多くの岩は、なんなのでしょう。なんとなく、波が打ちつけて崩れた岩が転がったんだろうと想像できます。それで正解なのですが、実は何百年とかの周期で起きている大地震の津波によるものだと、つい先日、ジオガイドの方から橋杭岩の成り立ちとともに教えていただきました。
あれ?秘密のスポットは?と思ったあなた!ここからが本題です。知見を深めた私はさらに、橋杭岩の先にある島が気になり、干潮時には歩いて行けるので、大潮の干潮時に行ってみることにしました。
「水たまりになっていて歩きにくい」
不思議じゃないですか?幾度となく津波に遭いながらも残った島。そこには何があるのか。見えてきたのは赤い鳥居、そうです、そこは「神が宿る場所」だったのです。
「橋杭岩の先にある島には神社がありました」
さらに私は、鳥居をくぐり奥へと足を踏み入れます。そこには神域であることがズキズキと感じる場所がありました(注:私に霊感はありませんが、子供のころ神社にいった後、失礼なことがあったようで、明らかに罰があたったという経験があり、神社に入るときは人一倍気を使います。)。
こちらの島は「弁天島」と言います。潮が満ちてくると帰れなくなるので、行ってみたいという方は、ジオガイドを利用する、大潮の干潮時に行くなど、くれぐれも事故のないように注意、行動してください。
他にも、弘法大師がうんぬんかんぬんとか、物語の多い橋杭岩。「見て、聞いて、感じて」、そんなディープな「よしくま」を体験したい方は、ジオガイドの利用をおすすめします。
これを読んで、ちょっと吉野熊野国立公園に行ってみようかな!と思ったあなたは、「絶対に吉野熊野国立公園に来ないでください!」と言うと、行きたくなりましたか?ぜひお越しくださいね。
2月下旬には、100年ぶりに新種として発見された「クマノザクラ」も開花し始めます。宇久井半島では、ウグイスの鳴き声も聞こえてきました、一足早い春を吉野熊野国立公園で体感してみませんか。