近畿地方のアイコン

近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

山から海へ ~田辺エリアの巡視に同行しました!~

2024年01月11日
吉野

みなさま、明けましておめでとうございます。
吉野管理官事務所の濵田です。
 
今回は少し前の話になりますが、8月に田辺管理官事務所の巡視に同行した時の話をお伝えしたいと思います。
 
吉野熊野国立公園は、北は奈良県の吉野から南は和歌山県の串本まで、山あり、川あり、海ありのとても広い国立公園です。その広い国立公園を環境省では3つのエリア(熊野・田辺・吉野)に分けて管理をしています。
 
今回同行したのは、田辺エリアにある志原海岸の鳥毛洞窟とすさみ町のフェニックス褶曲です。吉野管内での利用促進業務等に活かすべく、勉強も兼ねて同行しました。そのなかでも特に印象に残った鳥毛洞窟でのお話を今回はさせていただきます。
 
※フェニックス褶曲については、田辺管理官事務所アクティブ・レンジャー(AR)戸口さんのAR日記が詳しいのでそちらをどうぞ↓
https://kinki.env.go.jp/blog/page_00081.html
 
現在、鳥毛洞窟内は落石の恐れがあり、利用者の立入りはご遠慮いただいています。
洞窟周辺に注意喚起の看板がないことを不思議に思っていたら、田辺管理官事務所の戸口ARから、海岸は潮や波の影響で管理が難しく設置できないため、台風による高波の影響が及ばないメイン通路(今回、往路では通らなかった場所)に仮看板を設置しているという説明を受けました。現在、田辺管理官事務所・地元行政機関・民間有志で議論されていて、正式な看板設置に向けた動きもあるそうです。
 
潮や波の影響・・・山の巡視が多い私にはとても新鮮な言葉でした。
山も土砂崩れなどの心配はありますが、同じような洞窟があれば、洞窟の前に注意喚起の看板を設置することを当たり前のように考えたと思います。それが海岸沿いになると、潮や波の影響を考慮して設置しなければならない・・・同じ看板の維持管理でも、海と山では気をつけなければいけない観点が全然違うんだなと当たり前のことなのですが、実感することができました。
 

↑潮や波の影響で看板の設置が難しい鳥毛洞窟前。(道中の通路に注意喚起の看板があります。)
 

↑田辺管理官事務所の2人は台風の影響による落石の状況を確認していました。
 
 
同じ吉野熊野国立公園でも、私は熊野や田辺地域にはほとんど訪れたことがありませんでした。でも、今回の田辺管理官事務所の巡視に同行して、もっと他の地域のことも知りたいと思うようになりました。
山から海へと自然や文化のつながりが感じられるのが吉野熊野国立公園の大きな魅力です。国立公園満喫プロジェクトも始まっているので、これからもどんどん他の地域の魅力も知っていきたいと思います。
 
 
(おまけ)
海岸にいるフナムシを興味津々で眺めていたら、戸口ARに驚かれてしまいました。
フナムシは海岸には当たり前のようにいて、海沿いで暮らす人々は特に注意を払うこともない生き物だそうです(奈良公園の鹿みたいなものでしょうか・・・)。
知らないことがまだまだたくさんあるなと実感した巡視でもありました。