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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

六甲グルーム祭

2023年07月11日
神戸 中村高也

 みなさんこんにちは。神戸自然保護官事務所の中村です。神戸の気温が30°を超え、蒸し暑い日が続いているので、早くも夏バテ気味になっています。
 
 さて、先日六甲山上にて、「グルーム祭」が開かれましたので、今回はその様子をご紹介いたします。そもそも「グルーム祭」の名前になっているグルームとは何かご存じでしょうか。
 
 グルームとは、六甲山を広く憩いの場として開いたアーサー・ヘスケス・グルーム氏のことです。明治期にイギリス人実業家として来日していたグルーム氏は、六甲山に着目し、六甲山の三国池付近に最初の別荘を建てた人物です。また、それだけではなく、六甲山に日本初のゴルフ場「神戸ゴルフ倶楽部」を設立し、私財を投じて登山道の整備をするなど、現在の六甲山が避暑地・観光地として利用される礎を築いた「六甲開山の祖」として、現在もその功績がたたえられています。


【六甲山ビジターセンター前広場に建てられたグルーム像】

 グルーム祭とは、そんなグルーム氏の功績をたたえると共に、六甲山の夏山シーズンの安全を祈願して毎年6月に行われるもので、今年で40回目。今年はお天気が優れなかったことから、六甲山ビジターセンターの室内で執り行われました。


【祭壇前で宮司さんによる安全祈願のお祓い】


【祭壇へ玉串を奉納する岩野保護官】

 本来、グルーム祭が行われる予定であった日が荒天のため中止となってしまいましたので、今年は関係者のみ参列となりましたが、今後の六甲山の発展と山の安全を願い、式典は無事終了しました。
 
 都市山として広く皆さんに親しまれている六甲山ですが、道迷いや滑落等の事故が多いのも事実。これからの季節は熱中症の危険もあります。登山される皆様、安全には十分注意して六甲山を楽しんでください。