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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

コウノトリ、巣立ちのシーズン

2023年06月15日
竹野 久畑久美子

みなさまこんにちは。
竹野自然保護官事務所の久畑です。

竹野事務所の所在する豊岡市では国の特別天然記念物で国内希少野生動植物種に指定されているコウノトリが野生で生息しており、その生息・繁殖地は国指定円山川下流域鳥獣保護区に指定されています。
コウノトリは過去には稲を踏み荒らす害鳥として駆除されたり、農薬によって生息数が激減し、日本国内では絶滅しました。
この豊岡市では国内最後のコウノトリが生息していた地として保護繁殖活動、野生復帰活動を行い、現在国内で約300羽のコウノトリを野外で生息させるまでになりました。
今回は鳥獣保護区の巡視中に観察したコウノトリの様子をお伝えします。
豊岡市では人工巣塔が数カ所設置されており、コウノトリが巣を作っています。
 
  (巣塔を撮影している様子)

ちょうど1羽が巣におり、もう1羽が巣に降り立つところが撮影できました。
   
     (戻ってきました)            (巣に降り立つ様子)

様子がおかしいな~と、アップにしてみると、狭い巣への着陸はもう1羽に激突しての着陸でした。
   
(アップにするとぶつかっているように見える)   (交互にクラッタリング)

ぎゃー!と聞こえてきそうなこの表情。
その後はコウノトリのコミュニケーションの取り方のひとつで、嘴をカタカタを打ち鳴らすクラッタリングを交互に行っていました。
「ごめんね。」「おかえり。」と会話しているのでしょうか。

別の巣塔ではヒナが2羽と、ちょうど親鳥が帰ってきたところでした。
餌をねだっています。
   
   (親鳥に餌をねだる2羽のヒナ)       (吐き戻して餌を与える様子)

また別の巣塔では羽ばたきの練習をしている様子が見られました。
 
            (巣立ちに向けて羽ばたきの練習)         

翼をバサバサ動かして1m程浮くという行動を繰り返し行っていました。
全てのヒナが無事に巣立つよう願わずにはいられません。

それでは、また次回。