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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

立春と梅の花~東風吹かば~

2023年02月03日
田辺 戸口協子
みなさま、こんにちは。
吉野熊野国立公園 田辺管理官事務所の戸口です。
降雪自体が珍しい田辺地域で、今年は砂浜が白雪の景色になる日が合計3日程もありましたが、暦ではもう明日が立春ですね。
砂浜が真っ白!!(千里の浜)
雪中四友の一つ、ロウバイ
雪中四友…厳しい寒さに耐えながら花を咲かせる4種の花のこと(ロウバイのほかは、スイセン・サザンカ・ウメ)
雪を積もらせた1月末の寒波の合間に、珍しく気温10℃以上の暖かい日がありました。「1月にこの暖かさは、ちょっと早すぎる…」と思っているところに、春の香りが漂ってきました。暖かさで季節が進んだと勘違いした春の花が開花してしまったのかもしれません。
そんな中、沿線では梅の花が二輪開花しているのを見つけました。寒い中、咲く梅の花は春告草ですよね。
南高梅の花
闘鶏神社で見つけた一番咲の紅梅
みなべ町では梅まつりが2月4日から、始まっています。吉野熊野国立公園からほど近いところには歩いて楽しむことができる梅園があり、梅の花と香りを楽しみながら散策をすることができます。日差しの暖かい日に、梅のお花見をしながら梅昆布茶と共に名物イモモチを食べるのもおすすめです。
海岸近くの梅畑から望む吉野熊野国立公園
梅が開花すると思い出すのが、百人一首の一句です。

『東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 主人なしとて 春を忘るな』

祖母が、節分(立春)頃に開花する畑の梅を見ながら、いつも教えてくれた藤原道真の一句です。私はこれからも春になるとこの句を祖母と共に思い出すとことと思います。
俳句や短歌で歌われる植物を探しながら、公園内を散策するのも楽しいと思うので、良かったら皆様もいかがでしょうか。
是非、春を見つけに紀南へ来てみてください。