アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]
2023年 卯(うさぎ)年 スタート!
2023年01月11日
田辺
みなさま、こんにちは。
吉野熊野国立公園 田辺管理官事務所の戸口です。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
2023年の元旦は、1日良いお天気でのスタートでした。
さて、今年の干支は「卯」ということで、田辺で見ることのできる“ウサギ”をご紹介したいと思います。田辺管内では、海の中に生息しているウサギがあります。
これは貝の一種です。ウミウサギ類の「ウミウサギ」という名前の生物です。
黒いウサギ!!?と思うかもしれませんが、この黒いものは外套膜というもので、貝の体の一部です。人間が触ろうとしたり、敵が近づいたりすると、殻に体を全て隠してしまいます。すると…
なんと言うことでしょう!反対色の真っ白い貝が姿を現します。
この貝殻が真っ白いことと、貝殻の形状が、“ウミウサギ“の名前の由来となっているようです。(一説には、雪ウサギからの発想という説もあり、これも納得できるものと思いました。)
上記のウミウサギは手のひらサイズで、ウミウサギ類の中で一番大きいクラスのものですが、20mm以上の大きさになるのはごくわずかで、多くは10mm前後と微少なものです。
このような小さなウミウサギ類は、ソフトコーラルを生息場所としているものが多く、ソフトコーラルが多い紀南の海には、多様なウミウサギ類を見ることができます。これらも、田辺管内で見ることができたウミウサギ類です。
それぞれが大変美しく、ジュエリーにも見えて魅力的です。
カラフルな外套膜に覆われたウミウサギ類は、一見、ウミウシのようでもありますが、ウミウシは貝殻を持ちません。ウミウサギ類には貝殻を隠すほど大きな外套膜がありますが、外套膜は、貝殻を作る役割をしてるそうで、外套膜で海水からカルシウムを濃縮し、固い貝殻を作る役目を担っているとの研究もあるようです。外套膜の鮮やかな色彩は、生息しているソフトコーラルの保護色となることでカラフルになっていると考えられます。
このように、ウミウサギ類の外套膜や貝殻は、大変繊細な色彩・模様・形状をしています。生物多様性の一つ、「種」の多様性をウミウサギ類に見ることができます。
田辺湾周辺の浅海では、初級ダイビングで比較的容易にカラフルで可愛いウミウサギ類に出会うことができます。
2023年はウサギを探しに、田辺地域に来てみてはいかがでしょうか♪
吉野熊野国立公園 田辺管理官事務所の戸口です。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
2023年の元旦は、1日良いお天気でのスタートでした。
さて、今年の干支は「卯」ということで、田辺で見ることのできる“ウサギ”をご紹介したいと思います。田辺管内では、海の中に生息しているウサギがあります。
海でみることのできる“ウサギ” |
これは貝の一種です。ウミウサギ類の「ウミウサギ」という名前の生物です。
黒いウサギ!!?と思うかもしれませんが、この黒いものは外套膜というもので、貝の体の一部です。人間が触ろうとしたり、敵が近づいたりすると、殻に体を全て隠してしまいます。すると…
ウミウサギのお腹側(これは貝殻のみ) |
なんと言うことでしょう!反対色の真っ白い貝が姿を現します。
この貝殻が真っ白いことと、貝殻の形状が、“ウミウサギ“の名前の由来となっているようです。(一説には、雪ウサギからの発想という説もあり、これも納得できるものと思いました。)
上記のウミウサギは手のひらサイズで、ウミウサギ類の中で一番大きいクラスのものですが、20mm以上の大きさになるのはごくわずかで、多くは10mm前後と微少なものです。
このような小さなウミウサギ類は、ソフトコーラルを生息場所としているものが多く、ソフトコーラルが多い紀南の海には、多様なウミウサギ類を見ることができます。これらも、田辺管内で見ることができたウミウサギ類です。
田辺の海で見ることのできるウミウサギ類(写真提供:ヒロメラボ) |
カラフルな外套膜に覆われたウミウサギ類は、一見、ウミウシのようでもありますが、ウミウシは貝殻を持ちません。ウミウサギ類には貝殻を隠すほど大きな外套膜がありますが、外套膜は、貝殻を作る役割をしてるそうで、外套膜で海水からカルシウムを濃縮し、固い貝殻を作る役目を担っているとの研究もあるようです。外套膜の鮮やかな色彩は、生息しているソフトコーラルの保護色となることでカラフルになっていると考えられます。
このように、ウミウサギ類の外套膜や貝殻は、大変繊細な色彩・模様・形状をしています。生物多様性の一つ、「種」の多様性をウミウサギ類に見ることができます。
田辺湾周辺の浅海では、初級ダイビングで比較的容易にカラフルで可愛いウミウサギ類に出会うことができます。
2023年はウサギを探しに、田辺地域に来てみてはいかがでしょうか♪