近畿地方のアイコン

近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

鳥の巣半島観察会~里山と里海のつながり~開催!(後編)

2025年11月26日
田辺 戸口協子
みなさま、こんにちは。 

吉野熊野国立公園田辺管理官事務所の戸口です。 
前回に引き続き、ふれあいイベントのご報告です。 

前回は午前中に観察・体験した里海エリアとして干潟と岩礁についてのご紹介でした。 
今回は、午後から観察・体験した鳥の巣半島の里地についてご報告します。 

お弁当後に通り雨がザっとふりましたが、それも一瞬で、すぐに晴れました。暑くなってきたこともあり、講師からの提案により、草木が作る木陰の下に入ってみようということになりました。木陰の下は日の下より明らかに涼しく、「涼」を感じられました。また、そこには丈夫な藤のツルがあり、ぶら下がってみる子も。
鳥の巣半島里山の様子
植物による涼を感じる
木陰でツル遊び
ぶら下がれた!
木陰でツル遊び
スタッフは立派なナマケモノのよう
移動中、道のわきに背丈を超える竹の群落が続いていたのですが、葛が生い茂って、そこにある植物を飲み込んでいるかのようでした。講師は、アフリカ大陸のジブチを例に挙げ、ジブチではこのように勢いよく生える植物が見られないことから、日本の湿潤な気候に順応して覆い込むような植物をみると、日本の植物の豊かさを改めて感じると話されていたことが印象的でした。 

また、ここ鳥の巣半島は、外来生物のアフリカツメガエルがひろがったところで、地元の方と中高生の生物部により駆除活動がされていて、効果が出ているところでもあります。その活動についても講師から解説がありました。  
池に仕掛けられている罠
罠にはアフリカツメガエルは確認されなかった
ここから親水公園の脇を通り、駐車場に戻りました。出発時には干上がって水がなかった公園の親水部には、すっかり潮が差して、湖のようになっていました。 

今回のイベントでは、干潟・磯・海・里の平地、里山、ため池、水稲地など多様な環境を見て感じ、そこに暮らす多く種類の生き物を発見できました。そして、見つけた生き物でも同じ種を探そうとした際に、同じ種でも模様や形が少し異なることも感じられました。少し長い距離を歩いてもらった鳥の巣半島1周でしたが、生物多様性が詰まった、盛りだくさんの1日でした。 

ご参加いただいたみなさん、大変お疲れ様でした! 
 
~鳥の巣半島で個人的に自然観察をされたい方へ~ 
鳥の巣半島は地元の方の生活空間で、道も対向できるところが少なく狭いことから、お車でお越しの際は内之浦親水公園に駐車して、歩いて半島にお越しください。