みなさんこんにちは、神戸自然保護官事務所の中村です。
先日、浜の一部が国指定鳥獣保護区にもなっている甲子園浜にて、清掃イベント「甲子園浜クリーンアップ」に参加してきました。
このイベントは、地元のNPO団体「海浜の自然環境を守る会」が主催して、定期的に地域住民の方と一緒に甲子園浜の漂着ごみ清掃を行っているものです。当日は休日で良い天気ということもあり、非常にたくさんの方が参加していました。
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六甲山をバックに浜の清掃活動 |
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環境省職員も清掃します |
浜にどんなゴミが流れ着いているか、清掃しながら調べていると、ペットボトルの蓋やビニール等、プラスチック類のゴミが多く散見されました。これらは劣化して小さくなると回収が困難になってしまうので、なるべく大きなうちに回収します。
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短時間でしたが、私一人でも1袋ほどのゴミが集まりました |
清掃活動の帰りに、干潟を一望できる遊歩道を歩きながら、冬鳥の飛来状況を見てきました。この遊歩道は昨年までは堤防かさ上げ工事中のため、一般の方の利用ができませんでしたが、その工事もすでに終わり、またこの日は天気も良かったこともあって、散歩をされている方や干潟を見ている方など多くの利用がありました。
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遊歩道を利用する人々 |
甲子園浜は渡り鳥の中継地として非常に重要な役割を担っており、昭和53年11月に干潟の一部が鳥獣保護区に指定されました。今季の冬鳥の渡りも徐々に始まっているようで、遊歩道に設置された展望所からは、たくさんの鳥を観察することができました。今回はその一部をご紹介します。
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ホシハジロ |
この干潟にくる鳥のなかで最も多い鳥で、毎年1000~2000羽ほどの飛来があります。赤茶色の頭をしているのがオスで、集団で砂浜や干潟にたたずんでいる様子を見ることができます。今年もすでに1000羽ほどが飛来しており、今後どれだけ集まるか楽しみです。 |
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ハシビロガモ |
長いヘラ型のくちばしが特徴的なカモで、このくちばしを使って水中の植物プランクトン等を食べています。写真に写っているのは雄。非常にカラフルな体とオレンジ色の足が特徴です。 |
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カンムリカイツブリ |
カイツブリはカモに似た水鳥ですが、実はカモの仲間ではなく、カイツブリ目という独自のグループに含まれ、エサも魚を主食としています。甲子園浜では魚を追いかけるカンムリカイツブリが潜水をする様子をしばしば見ることができます。 |
いかがでしたでしょうか。紹介した鳥は干潟を訪れる鳥のほんの一部です。ぜひ一度甲子園浜に来ていただき、広大な干潟にたたずむ冬鳥を観察してみてくださいね。