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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

竹野地区パークボランティア研修を行いました

2022年10月18日
竹野 久畑久美子

みなさまこんにちは。竹野自然保護官事務所の久畑です。
先日、竹野地区パークボランティアの研修会を行いました。
竹野スノーケルセンターでプログラムとして行っているカヌー教室ですがパークボランティアさんの中でもカヌーに乗ったことがない方がいらっしゃるということで、今回は大浦湾の自然を海上から観察するということをテーマに開催しました。

秋になると荒れがちな天気もこの日は夏のような暑さでした。班ごとに分かれて、準備体操、パドルの動かし方やライフジャケットの着方、注意事項などのレクチャーを受け、海に出ました。 

     
     (パドルの動かし方の指導を受けている様子)                      (大浦湾に漕ぎ出す様子)
 
海に出たら操舵の練習をしました。
曲がり方、バックの仕方、岩と岩のあいだを抜けて目指すところへ漕ぐ練習を行いました。


                  (岩の間を抜ける練習)
 
慣れてきたら自然観察開始です。
大浦湾の浅瀬の岩場はほとんどが地下深くでマグマがゆっくりと固まった花崗岩ですが、先ほど間を通った2つの岩だけはなぜか地下の浅いところでマグマが急速に固まった流紋岩だと、岩に詳しいパークボランティアさんからの説明がありました。
少し沖に出ると岩の様子が火山灰や火山性の岩などからできた、ごつごつとした凝灰角礫岩に変わり、そこでも火山活動や、凝灰角礫岩についての解説を聞きました。


     (凝灰角礫岩の解説を聞いている様子)
 
こうした様々な岩が地形を複雑にしているため、大浦湾は多様な生き物のすみかとなっています。今回の研修ではスノーケルはしませんでしたが、潜ってみると岩の周りでは特にたくさんの海の生き物を見ることができます。
 
夏の終わり頃には、黒潮に乗ってソラスズメダイ、キンチャクダイ、オヤビッチャなどカラフルな熱帯の魚もやってきます。こうした魚はカヌーの上からでも見つけやすく、今回の研修でもソラスズメダイの鮮やかな青色が海中に見えました。空を見上げるとミサゴが海中の獲物を狙って飛んでいます。
 
大浦湾の地形や地質、生き物の豊かさなど、様々なことを体感できた観察会となりました。パークボランティアの皆さんにも、またそれぞれ観察会の際などにこの経験を役立てていただけるかと思います。
 
それではまた次回。