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近畿環境局

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

指定90周年記念吉野熊野国立公園「アートピクニックin大台ヶ原」

2026年08月26日
田辺 戸口協子
みなさま、こんにちは。
吉野熊野国立公園田辺管理官事務所の戸口です。

和歌山では今年、お盆の前後に季節外れの涼しい日がありました。そのおかげで、子どもの頃の夏休みを思い出しました。朝6時半のラジオ体操に参加し、9時頃から宿題を始めても、10時頃までは汗ばむことなく過ごせた記憶があります。
今では一日中クマゼミの鳴き声が聞こえますが、私が子どもの頃の紀北地域では、ミンミンゼミやアブラゼミ、クマゼミが鳴き始めるのは8時頃からだったように思います。この記憶は、学生時代に出会った動物行動学者の故・日高敏隆さんがエッセイ『セミたちと温暖化』で語っていた内容とも重なります。当時も夏は十分暑かったものの、今のような厳しい暑さが長期間続くことは少なかったように感じます。

さて、8月11日の「山の日」、吉野熊野国立公園の吉野管理官事務所が管轄している大台ヶ原にて「アートピクニック in大台ヶ原」を開催し、田辺管理官事務所からも業務管理の応援として参加してきました。
このイベントは、今年2月に国立公園指定90周年を迎えた吉野熊野国立公園の記念事業として実施しているもので、吉野熊野国立公園内各地で全4回の開催を予定しています。今回は瀞峡に続く第2回目となり、事前申込みいただいた12名の方にご参加いただきました。
当日の大台ヶ原は「山の日」とあって、多くの来訪者でにぎわい、駐車場もほぼ満車の状態でした。気候は涼しく、しばらくすると吹く風が寒く感じられるほどでした。関東東沖を西進していた台風15号の影響もあったようです。
大台ヶ原駐車場
入れ替わり立ち替わりで常にほぼ満車の大台ヶ原駐車場
受付後はレクチャールームで開会式を行い、吉野管理官事務所のレンジャーから吉野熊野国立公園や大台ヶ原の自然の魅力について紹介がありました。また、国立公園利用時のマナーやルールについても説明があり、参加者の皆さんは熱心に耳を傾けていました。
レクチャールームで説明
吉野管理官事務所のレンジャーによる国立公園の紹介
続いて、今回のメインプログラムであるアートピクニックのレクチャーです。講師からは、絵を描く際の基本的なポイントを学びました。
絵を描く人がよく行う、両手の親指と人差し指で四角い枠を作る仕草や、鉛筆を立てて片目で見比べる動作には、構図や対象の比率を確認する大切な意味があるそうです。講師からは「決して格好をつけているわけではありません!」との説明があり、会場は和やかな雰囲気に包まれました。
レクチャールームで説明
講師により絵を描くときのポイントをレクチャー
レクチャー後は制作場所の「苔探勝路」へ移動しました。苔探勝路は、大台ヶ原を何度も訪れたことがある方でも足を運んだことがない場合が多い場所だそうです。近年は苔の減少が見られるものの、倒木や切り株を鮮やかな緑色の苔が覆い、美しい森の景観を楽しむことができました。
参加者はそれぞれ題材を選び、はがきサイズの用紙に向かって制作を開始しました。木漏れ日が差し込み、鳥のさえずりが響く森の中で、題材に選んだ植物や風景をじっくり観察しながら制作に取り組みます。木々の間を吹き抜ける風が少し身体を冷やすなか、静かな森の空気の中で集中しながら制作に取り組んでいました。
苔探勝路
思い思いの場所で…
苔探勝路
思い思いに描く…
限られた時間の中でも、1枚目を描き上げて2枚目に挑戦する方もいました。制作後の作品発表会では、それぞれが工夫した点や作品に込めた思いを紹介し、講師から講評をいただきました。同じ植物や森の風景を題材にしていても、作品には描く人それぞれの視点や感性が表れており、まさに十人十色の仕上がりでした。参加者同士がお互いの作品を鑑賞しながら交流することで、自然の見方や感じ方の多様さを実感できるひとときとなりました。
苔探勝路
作品発表と講師による講評
みなさんにより制作された作品は、今後、宇久井ビジターセンターなどで展示する予定です。展示場所や期間が決まりましたら改めてご案内します。
 
アートピクニックは今後も開催を予定しています。

• 第3回 11月1日      和歌山県串本町・潮岬
• 第4回 12月6日(予定) 和歌山県田辺市・天神崎

参加者募集についても、近畿環境局のホームページなどでお知らせします。
 
今回、制作に取り組んだ方の中には、講師から「見たままの色や形にこだわらなくてよい」ことを教えていただいたり、また、アドバイスの通りの差し色などを加えることで、自分の描いた絵の表情が思いがけない変化をすることを体感した方などがいました。
自然の中でゆっくり観察することや、自分なりの表現を楽しめる機会となることと思います。絵を描くことが好きな方はもちろん、「少し苦手意識がある」という方も、新たな感性が広がる機会になるかと思います。ぜひ、お気軽にご参加ください♪