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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

猛暑の夏こそ、本州最南端「潮岬」へ行ってみよう

2025年08月25日
熊野 湊 英也

こんにちは、吉野熊野国立公園管理事務所の湊です。今年もとっても暑い夏となり、部屋にこもりがちな日々を過ごしています。気温35度を超えるような日は猛暑日といわれ「日中の外出を控えることが命を守る行動」とアナウンスされるほど、夏は外に出ることが危険という時代、アウトドアが大好きな私にとって、夏は憂鬱な季節となってしまいました。
となりますと涼しいところへ行きたくなりますね。当事務所は主に海岸部を管轄しているので、海辺の涼しいところを紹介したいところですが、皆さんのイメージは、海→夏→暑いではないでしょうか?。
ましてや、吉野熊野国立公園には、本州最南端の潮岬(串本町)があり、南に行くほど暑くなると考えるのが普通かと思います。

潮岬の風景
とにかく青い本州最南端の潮岬

ところが、この時期、新宮の事務所からさらに南の潮岬にいくといつも心地よい風が吹いていて、あれっ?涼しいな!と感じることが多く、なぜだろうと思っていました。
たしかに普段、気象情報をみていると都心部である大阪市内に比べて、潮岬は気温が低いのですが、改めて気象データ(出典:気象庁ホームページ(過去の気象データ))からグラフを作成し、潮岬の気温の謎に迫ってみました。

大阪市と串本町潮岬の8月の最高気温のグラフ
大阪市と串本町潮岬の2025年8月最高気温の推移
大阪市と串本町潮岬の8月の平均風速のグラフ
大阪市と串本町潮岬の2025年8月平均風速の推移

8月の日最高気温を見ると、大阪市が35度以上の日は、潮岬では約5度低くなっています。また、風について、日平均風速で比べてみると、潮岬の方が大阪市よりも強い日が多いことがわかりました。
さらに気象庁のホームページにて今年8月の海面水温を見てみると、潮岬周辺では、27~29℃の範囲で推移しているようです。
つまり四方を海に囲まれた陸繋島である潮岬を吹く風は、海からの風であり、最高気温となるであろう日中時には、気温よりも低い心地よい風が吹いていると想像できます。

夏の潮岬の様子
8月中旬の潮岬周辺はたくさんの観光客が訪れていました
潮風の休憩所
潮風の休憩所に是非お立ち寄りください
これから、まだまだ残暑が続きます。暑ーいこの時期こそ、本州最南端潮岬へ来て、この不思議な気候を感じてみませんか?と言っても熱中症には十分気を付けて、水分補給を忘れずに、外での活動は無理をしないで下さい。
潮岬のある串本町には、環境省直轄施設である潮風の休憩所、橋杭岩などのジオサイト、南紀熊野ジオパークセンター串本海中公園センターなどもあります。観光も遊びも盛りだくさんの串本エリア(串本町観光協会)に是非お越しください。
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