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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

第18回大阪湾生き物一斉調査に参加しました

2025年05月30日
神戸 中村高也
みなさま、こんにちは。神戸自然保護官事務所の中村です。
 
先日、兵庫県西宮市にある国指定浜甲子園鳥獣保護区にて生き物調査イベント「第18回大阪湾生き物一斉調査」に参加してきましたので、その様子をご紹介します。
開会式の様子
【NPO法人海浜の自然環境を守る会より、開催挨拶の様子】

大阪湾生き物一斉調査とは?

大学・市民団体・国および地方自治体等で構成される「大阪湾環境再生連絡会」が、地域の皆さんと一緒に大阪湾の生き物を一斉に調査する取り組みで、今年で18回目。調査結果は大阪湾の各地の水環境を把握する基礎資料として活用されています。過去の調査データは事務局でもある国土交通省近畿地方整備局のHP(大阪湾環境データベース)にて公開されています。

調査開始

国指定浜甲子園鳥獣保護区の干潟にはいったいどんな生き物が生息しているのか、各チームに分かれてさっそく干潟に移動して調査開始です。
 
調査の様子
【1m四方のコドラート枠を設定し、枠内の生き物の調査・記録をします】
生き物を探す様子
【見つけた生きものはバットの中へ】
見つけた生き物カニ
【元気良く動くイソガニがたくさん】
石の裏につく生き物
【石裏には多数のコツブムシと貝類】
謎の生き物ヒモムシ
【細長い生き物 ヒモムシ】
私の調査した1m四方のコドラート内では、石の裏側や隙間には貝類やカニ類、泥の中にはアサリやゴカイ類等、多くの生き物が見つかりました。特に小さな貝類やゴカイ等の底生生物は、普段なかなか目にする機会はありませんが、干潟の環境や生物多様性を支える、とても重要な生き物です。
 

調査を終えて

浜甲子園で行われた大阪湾生き物一斉調査の様子をお伝えしました。調査結果は例年、事務局である「大阪湾環境再生連絡会」が取りまとめ、11月ごろに発表されております。
大阪湾の自然干潟はほとんど埋め立てられてしまい、今回調査した浜甲子園の干潟は、数少ない貴重な環境です。今後も生き物が多数生息する干潟環境を、地域の皆さんと一緒に守っていきたいと思います。
干潟の写真
【調査時に出現していた干潟】