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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

甲子園浜で春の生きもの見つけ!を開催しました

2025年03月07日
神戸 中村高也
 みなさま、こんにちは。神戸自然保護官事務所の中村です。
 
 先日、兵庫県西宮市の甲子園浜にて、環境省主催のイベント「甲子園浜 春の生きものみつけ!」を開催しましたので、今回はそのご報告をさせてください。

 
広報チラシ
【甲子園浜 春の生きものみつけ!】
 今回のイベントは、国指定浜甲子園鳥獣保護区にも指定されている甲子園浜を舞台に、干潟に生息する野鳥やカニ等の生きものを観察し、自然の魅力を体験してもらおうと実施しました。
会場:西宮市立甲子園浜自然環境センター
【会場は西宮市立甲子園浜自然環境センター】
干潟でエサを探すヒドリガモの様子
【干潟でエサを探すヒドリガモ】
 当日は快晴で、近辺に住むご家族を中心に、25名の参加がありました。
 イベント開始後はさっそく生きものを探しに行きたいところですが、その前に甲子園浜について歴史のお話を聞きました。地域で活動をしているNPO法人「海浜の自然環境を守る会」の前田理事長と向山さんのお二方に、甲子園浜周辺の環境が時代によってどう変わっていったのか、都市に近い甲子園浜がなぜ埋め立てられずに現在も干潟が残っているのか等について、お話いただきました。
甲子園浜の歴史を説明する様子
【甲子園浜の歴史を写真とパネルを用いて解説していただきました】
 その後は、実際に外に出て生きものを観察します。この日は自然環境センターの前の干潟にたくさんの冬鳥が飛来しており、鳥獣保護区館員の尾崎さんに鳥に関する解説をしていただきながら、望遠鏡や双眼鏡を用いて観察しました。また私からも国指定浜甲子園鳥獣保護区の重要性や、利用する上でのマナー等について、参加者の皆様に説明させていただきました。野鳥観察では、ヒドリガモやオナガガモ、オオバンなど、様々な野鳥を観察することができました。
甲子園浜で野鳥観察
【甲子園浜にどんな野鳥がいるのか、みんなで観察します】
解説する講師の様子
【鳥獣保護区管理員の尾崎さんより鳥の解説】
望遠鏡を覗きこむ子ども
【望遠鏡を使うと鳥が大きく見えました】
オナガガモ
【観察された鳥の1種、オナガガモ】
浜甲子園鳥獣保護区の解説
【国指定浜甲子園鳥獣保護区について説明】
 野鳥観察の後は、干潟に降り立っての生きもの観察です。干潟を探索して生きものを探します。講師の大阪南港野鳥園の和田さんからは、生きものを探す際の注意点や観察のポイント等を教えていただきました。
講師より観察時の注意説明
【講師の和田さんより、観察時に気を付けることの説明がありました】
干潟で生き物探しの様子
【みんなで干潟を歩いて生きものを探します】
石をひっくり返す子ども
【石の裏にどんな生きものがいるかな?】
イシガニ
【イソガニを見つけました】
カニの雌雄について紹介
【カニの雌雄の見分け方について解説】
 干潟観察を終えて、和田さんに実際に見つかった生きものを一つ一つ丁寧に解説していただきました。干潟には、カニ(ケフサイソガニ、ヒライソガニ等)や貝(ウミニナ等)の他に、石の裏に巣をつくるカンザシゴカイや、タテジマイソギンチャク、コツブムシ、ヨコエビ、ミズクラゲ等、子ども達にとってあまり見たことのない生きものも観察することができました。参加者からは「干潟の生きものがたくさん見れて楽しかった」「またイベントがあれば参加したいです」といった感想を頂きました。
 
 甲子園浜のような自然干潟は、埋立てが進んだ大阪湾にはほとんど残っておらず、大変貴重な環境です。干潟がなくなってしまうと、今回観察された生きものも住めなくなってしまいます。今後も貴重な甲子園浜の干潟を、地域の皆さんと一緒に守っていきたいと思います。
集合写真
【イベント参加者全員で記念撮影。参加された皆様、ありがとうございました】

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