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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

天神崎の丸山前駐車場がオープン

2024年12月27日
田辺 戸口協子
みなさま、こんにちは。吉野熊野国立公園 田辺管理官事務所の戸口です。
冬の風が吹く今の時期、吉野熊野国立公園の海岸沿いではツワブキやアゼトウナが鮮やかな黄色い花を咲かせています。
黄色い花
ツワブキ
黄色い花
アゼトウナ
今回は先日12月12日にオープンしたばかりの新設した施設をご紹介します。
みなさま、大変お待たせしました!
田辺市にある天神崎では、増加している利用者の利便性向上のため、このたび、天神崎丸山前に駐車場がオープンいたしました。
パノラマ
丸山前駐車場と丸山をパノラマで
約半年の工事期間を経て整備された駐車場は、最大23台の車を駐車することができます。
駐車場
オープンしたばかりの丸山前駐車場
駐車場横には市営のトイレもあり、便利です。みんなで譲り合って気持ちよく利用したいですね。
駐車場には新たに設置された看板もあり、天神崎の見所や観察することができる生きものの紹介をしています。また、津波発生時の避難ルートも掲載されています。
案内板
新設の天神崎案内看板
天神崎は最近、水面が鏡のようになる映え写真が撮れるとのことで、条件が揃う日には多くの方が撮影に訪れています。
水面が鏡のようになるのは風がなく変動する潮がちょうど良い頃合いとなりますが、撮影に夢中になっているとすぐに潮が満ちてくることがあります。上げ潮時には周りの岩礁の様子にも注意を払いながら、安全に楽しんでいただけたらと思います。
(参照:https://www.tanabe-kanko.jp/view/zekkei/tenjin-zaki/「おすすめカレンダー」)
セレモニー
オープニングセレモニーの様子
駐車場のオープンに先立って、天神崎周辺で、国立公園の保護管理にご尽力いただいている方々により、オープニングセレモニーが行われました。上記はテープカット直後の写真で、左から地元自治会・会長の石山さん、天神崎の自然を大切にする会・代表理事の土永さん・田辺管理官事務所の雪本国立公園管理官・田辺市環境課代表代理の島倉係長です。
 
地域の方々によって大切にされてきた自然豊かな天神崎を、安全に楽しんでいただけるよう、今後の整備計画としては、駐車場横に東屋(あずまや)、日和山探勝路の案内板、ビオトープ奥の湿地に木道・丸太階段などを整備予定です。
忙しない日々の中の気分転換に、潮騒を聞きながらのんびり景色を眺めていたくなる天神崎に、是非お越しください。
 
〔天神崎のご紹介〕
田辺湾に面している天神崎は、一年を通じて温暖な気候に恵まれたところで、陸から海までひと続きの多様で豊かな生態系が維持されていていることが最大の魅力となってます。ここは、地域の人々が普段からのんびり、ゆっくり過ごせ、親しまれてきた場所です。天神崎が地域の人々にどれだけ愛されているかがわかるのが、1974年(昭和49年)に天神崎に別荘地開発計画が持ち上がった際の、ナショナル・トラスト運動です。天神崎の環境を保全するためのこの運動は、日本のナショナル・トラスト運動の先駆けとなり、現在も地域の保全活動や清掃活動により、美しい風景が維持されています。
もとは和歌山県立自然公園であったところ、2015年(平成27年)より吉野熊野国立公園として拡張対象エリアに指定され、最近では、和歌山のウユニ塩湖としてメディアやSNSなどで取り上げられることも多く、映え写真を撮影に来られる観光客も多くいらっしゃいます。地域の方から今も親しまれていることが伺えることとして、田辺市内では様々な場所で天神崎丸山を描いた絵や写真が飾られていて、目にすることがあります。みなさまも、自分好みの絵や写真を探してみるのも楽しいかもしれません。