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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

みなべ町で園児がヒラメ放流体験

2024年06月28日
田辺 戸口協子
みなさま、こんにちは。
吉野熊野国立公園・田辺管理官事務所の戸口です。
今年は梅雨入りが例年より遅かったですが、アジサイが鮮やかで多くのカタツムリを見ることができます。
ブルー
〔アジサイ(ブルー)〕
カタツムリ
〔カタツムリ〕
ホワイト
〔アジサイ(ホワイト)〕

 
先日、みなべ町の幼稚園児がヒラメの放流体験をしました。これは、みなべ町教育委員会が町内にある堺の漁協と協力して、食育や海の生物を学習する機会として実施しているものです。
その中で田辺管理官事務所は、ここ数年、毎年、講師としてお招きいただき、海の食物連鎖のおはなしと、海の環境のおはなしをさせていただいています。
園児たちは2班に分かれ、海のおはなしを聞くことと、放流前のヒラメに最後の餌やりとを交互に行います。
食物連鎖のおはなしの中には、「プランクトン」が出てくるのですが、今回はプランクトンという言葉を知っている子どもがいて、驚きました。
海の生物にも興味をもってもらい、魚もたくさん食べて大きくなってもらいたいという思いを込めて、紙芝居をしました。
また、海の環境のおはなしにはアカウミガメにご登場いただきました。ここ、みなべ町には、本州で有数のアカウミガメの産卵地「千里の浜」があります。さすが、みなべの子どもたち、アカウミガメのことはみんな知っています。先生にお手伝いいただきながら紙芝居とアカウミガメのぬいぐるみで、海の生物が暮らしやすい綺麗な海をつくろう!というおはなしをしました。
最後の餌やり、いっぱい食べてね
〔餌やりの様子〕
みなべ町堺漁協
〔食物連鎖のおはなし〕
	海の環境のおはなし
〔ウミガメを通して海の環境のおはなし〕
その後、浜に移動し、ヒラメの放流です。
園児たちは小さなバケツに数匹ずつ、10cm足らずのヒラメを入れてもらい、嬉しそうに波打ち際まで運んでいました。そして、先生の掛け声で、一斉にバケツを傾け、ヒラメを海に放流、「大きくなって帰ってきてね」と手を振っていました。
漁協配布のヒラメ
〔ヒラメ触りたい!〕
堺漁協配布のヒラメ運搬
〔こぼさないように、ゆっくり、ゆっくり!〕
堺漁協配布
〔私のヒラメさん、カワイイ♪〕
堺漁協配布
〔大きくなって帰ってきてね〕
放流のあとは、水遊び、砂浜で宝探しと、先生や漁協の皆さんに見守られながら、みんなめいめいに遊ぶ時間です。
「こんなの拾ったよ」と貝殻やシーグラスを見せに来てくれたり、「これはなぁに?」と海藻を持ってきてくれました。園児たちと楽しくふれあいながら、浜に落ちているゴミも拾っていたところ、園児たちも、一緒にゴミを拾ってくれました。ウミガメや海の生き物が、お腹を壊さないように、と。
海辺で宝探ししながら、自然発生的にとゴミ拾いをしてくれる園児たちを頼もしく思いました。この子どもたちが大人になり、そのまた子どもたちの時代にも、海の生物が豊かで、海を楽しめる環境を維持できますように。