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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

山陰海岸国立公園浦富海岸エリアの自然歩道の合同点検について

2023年09月12日
浦富 堀田利明
みなさん、こんにちは。浦富自然保護官事務所の堀田です。
 
山陰海岸国立公園内の長距離自然歩道等を対象に、関係機関(県、市、町、環境省)のメンバーで計4日間、危険箇所及び修繕が必要な施設の確認など行いました。
このルートは、山陰海岸ジオパークトレイルコースにもなっていますので、多くの方に安全に利用し楽しんでいただきたく、関係者で定期的に点検を行っています。
 
今回は、2日目の7月10日に実施した駟馳山ルート(鳥取市福部町岩戸港~岩美町大谷海岸)の様子を紹介します。
昨年の点検で補修が必要だった恵比須浜展望所跡周辺の防護柵は、当該歩道を管理する鳥取県によりきれいに整備されていました。


恵比須浜展望所跡より鳥取砂丘を望む
また、岩壁一面に安山岩の柱状節理が広がった滝ヶ磯では、タイミングよく数日前の降雨で滝が流れる光景に出会うことが出来ました。


滝ヶ磯までの分岐歩道は、落石等の危険箇所があり、対策が完了するまで引き続き通行止めにすることとなりました。
 
滝ヶ磯から自然歩道の分岐へ戻り、少し登っていくと休憩所があります。ここからは、鳥取砂丘を望むことが出来ました。
休憩所から鳥取砂丘を望む
さらに自然歩道を進んでいくと、風とともに獣臭がただよう区域がありました。その周辺を見渡すと“ヌタ場”や、鹿が角を擦った跡がありました。
    
鳥取市と岩美町の行政界にある“牛ヶ首”に至る自然歩道は、路肩がかなりの規模で崩落し危険なため、引き続き通行止めにすることとなりました。


なだらかな自然歩道を進んでいくと急な斜面にさしかかります。ここから標高約230mの最高地点までは、途中でひと休みできるベンチもありますが、急坂が続きます。
最高地点からは、日本海、網代港を望めますが、枯れた松の大木が目立ち見通しを阻害しているので、伐木等の対策を検討することとしました。
 

ここからは、大谷海岸まで急な下りとなります。雨の後など地面が湿っているときは、滑らないよう注意が必要です。この急坂の最後は、急な階段が目印です。



この度の点検では、滝ヶ磯、牛ヶ首への歩道の通行止めや休憩所等からの眺望を改善するための樹木の伐採が課題として確認されました。
 
最後に、このたび足下に初めて見る目立つ虫さんがいましたので、写真を撮ってみました。調べてみたら、ヨツスジハナカミキリムシのようです。