アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]
近畿地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、吉野熊野、山陰海岸、瀬戸内海国立公園があります。
六甲山の初夏 生き物たちが続々と
2022年06月06日
神戸
近畿地方環境事務所
皆さま、こんにちは。神戸自然保護官事務所の中村です。
先日、六甲山の巡視中にコアジサイが咲いているのを見つけました。
【コアジサイ】
コアジサイは六甲山の初夏を彩る花。日当たりのよい開けた場所よりも少し薄暗い山中の登山道でよく見かけます。他の花アジサイと比べて少し小ぶりで全体的にかわいらしい雰囲気が漂います。
そんな初夏を前にした六甲山で、モリアオガエルの産卵が始まっているという噂を聞き、先日巡視も兼ねて観察してきました。
【摩耶自然観察園】
六甲山上には大小さまざまな池が存在しており、もともとは氷を切り出す目的で人工的に作られた池でしたが、現在は利用者の憩いの場として整備されている池もあります。
摩耶山掬星台の近くにある摩耶自然公園 あじさい池もその一つで、生き物の観察ができるように木道が整備されております。池の水面上に木々の枝葉が垂れ下がっている環境は、モリアオガエルに産卵場所として利用されています。
【あじさい池 観察しやすいよう木道が整備されています】
【木の枝に登っているモリアオガエルと、枝に産み付けられた卵塊】
カエルの他にも、池の中では落ちてくる卵を狙おうとアカハライモリが待ち構えていました。また木に登ってくるカエルを捕まえるためか、ヘビの姿も・・・
【アカハライモリとシマヘビ】
せっかく産んだ卵やカエルが食べられそうでかわいそう、と思われる方もいるかもしれませんが、これも自然の摂理。生き物たちはこうやって自然の中で関わりあって生きているので、手を加えずにどうか見守ってあげてくださいね。
モリアオガエルだけでなく、初夏を迎えるこの時期はたくさんの生き物たちが動き出し、植物が花を咲かせます。緑豊かな六甲山上の自然を体感しに、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
【水中で気持ちよさそうなモリアオガエル】