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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

近畿地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、吉野熊野、山陰海岸、瀬戸内海国立公園があります。

初夏の渓谷美 ~北山村「観光筏下り」~

2022年05月30日
熊野 東希穂

皆様、初めまして。

新しく熊野地域のアクティブ・レンジャーになりました、東です。

どうぞよろしくお願いします。

 

今日は、今が旬のアクティビティ「北山川 観光筏(いかだ)下り」をご紹介したいと思います。

北山村は和歌山県ですが、周りを三重県・奈良県に囲まれており、日本で唯一の「飛び地の村」として有名です。

新宮から車で1時間ほど。ずいぶん道が便利になりました。

 

乗ってすぐに訪れる軽快なスリルは、ウォータースライダーのよう。

その後は、ゆったりと優雅な川の旅を満喫できます。

深く美しいグリーンの川と、それに沿う壮麗な岩の景観は、この世のものとは思えません。

道中、岩場にたたずむカモシカの姿が。初めて見るカモシカに、思わず声を上げました。

 

北山川をいく観光筏

© 北山村

【画像はコロナ禍以前に撮影。現在、乗船にはマスクの着用が必須です】

 

 

筏師さんが繰り出す、筏をあやつる技にも注目です。

雨の多いこの地域では、古くから、良質な木材の取引を生業とする人々がいました。

なんと、川を筏で下って、はるばる河口のまち新宮の港へと木材を運んだというのです。

現在も、筏を操るその技術は「観光筏下り」に継承されています。

筏を操り北山川をすすむ筏師

© 北山村

 

この「観光筏下り」、昨今はコロナ禍を考慮し、一度に乗れる人数を減らしての運航となっています。北山村のスタッフの方々のお話を伺いながら、「コロナ禍における国立公園の利用推進」について、考えることは多いのだと、背筋が伸びる思いでした。

 

筏に乗る前後、行き帰りはバスで送迎してくださいます。車窓から見える新緑の山々、渓谷、そんな初夏のみずみずしい景色もお楽しみのひとつです。

 

北山村の筏下りは、5月から開始し、9月末まで楽しめます。北山村のスタッフさんによると、少々雨が降るなか乗る筏も、意外と「いいもの」なのだそうです。ぜひ、吉野熊野国立公園の北山村に足を運んでみてください。