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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

六甲山の春(東お多福山)

2022年04月27日
神戸 中村高也

コバノミツバツツジ

 皆さん、こんにちは。神戸自然保護官事務所の中村です。

 街中での桜の季節は終わってしまいましたが、六甲山ではまだコバノミツバツツジが咲いていました。小ぶりなツツジではありますが、この花が咲いているのを見ると、私は六甲山の春の訪れを感じます。

 今日はそんな六甲山系の山の一つである『東お多福山』をご紹介いたします。

山頂付近には草原と阪神間が見渡せる眺望があります

【山頂付近には草原と阪神間が見渡せる眺望があります】

 六甲山系では珍しい草原が特徴の山として人気の『東お多福山』ですが、この草原は自然にできたものではありません。

 もともと東お多福山は、茅葺き屋根の材料や生活の燃料を得るための茅場として人の手が入ることによってススキが優占する草原が広がっておりましたが、戦後、人々の暮らしの変化によりススキが利用されなくなったことで、ネザサが優占する草原へ変化していきました。そこで、ススキが優占する草原を再生しようと、「東お多福山草原保全・再生研究会」が関係行政機関などと協力して、平成18年度から継続的にネザサの刈り取りを行い、ススキ草原の回復に取り組んでいます。

ネザサ刈りの様子

【ネザサ刈りの様子】

 また、同研究会では毎月、東お多福山とその周辺に生息する植物の定期的な調査と並行して、一般の方向けの植物観察会を実施しており、事前申し込みをすればどなたでも参加することができます。

観察した植物をモニタリングしていきます

【観察した植物をモニタリングしていきます】

今の時期は様々なスミレが観察できました

【今の時期は様々なスミレが観察できました】

 東お多福山はススキを目当てに秋に来られる方が多いのですが、この時期にもスミレなどに代表される様々な春の植物をたくさん観察することができます。この機会にぜひ一度、東お多福山へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

兵庫県主催 春の東お多福山ハイキング:「2022 春の東お多福山ハイキング」の参加者募集