アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]
EVバス実証実験in吉野山
2021年12月20日皆さま、こんにちは。吉野管理官事務所の早川です。
先日、奈良県吉野町の吉野山にてEVバス実証実験を行いました。
環境省HP<http://kinki.env.go.jp/to_2021/post_234.html>
吉野山は吉野熊野国立公園や世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に指定・登録されており、中でも国宝にも指定されている金峯山寺は東大寺に次ぐ規模の木造建築であり、その存在感は圧巻です。また、4月にかけて満開の桜で多くの観光客が訪れ、日本でも有数なシロヤマザクラの名所としても知られています。
今回実施したEVバス実証実験とは、マイカー規制及びEVバスなどの環境配慮型2次交通を導入した周遊システムの社会実験になります。環境省では、脱炭素社会に向けて対策が進められており、今後の国立公園における保護と利用の実現に向けて本実験を行いました。
吉野山は以前より、観桜期や紅葉期の自家用車乗り入れ等による交通渋滞や利用者の満足度の低下が懸念されています。そのため今後、地域の特性に応じた吉野山の魅力を高め、利用者が集中する時期以外の通年での利用促進、自然環境に配慮したインフラ整備が重要と考えています。
吉野山は下千本が標高約200~350m、奥千本では標高約600~750mと急勾配な坂道が続くので、実証実験では、特に高齢者の方々に登りでEVバスに乗車していただき、下りは徒歩でゆっくりと吉野山を満喫していただけました。EVバス利用者からは、「とても静か」、「乗車目線も低く、お土産屋の中も確認できよかった」など様々なご意見をいただき、無事終了することができました。また、年に一度、この急勾配を利用したロードバイクでのヒルクライムも開催されています。今後私も出場を検討しています。
吉野山は桜が有名ですが、利用者のメインルートからはずれた脇道沿いにも、修験道にまつわる歴史的、文化的な資源を発見することができます。少し寄り道をして、金峯山寺や修験道の歴史・文化に目を向けて散策すると、これまでとは違う風景や空気感を感じることができると思います。