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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

大峯弥山巡視点検withオオヤマレンゲ

2021年07月20日
吉野 早川諒介

 皆さま、こんにちは。吉野管理官事務所の早川です。

 先日、大峯山系植生調査のため、弥山~八経ヶ岳に至る登山道及び防鹿柵(ぼうろくさく)の巡視点検を行いました。天川村の弥山・八経ヶ岳エリアは、標高1500m以上の山々が連なる大峯山系に位置し、シラビソ林やオオヤマレンゲなど希少な自然環境があります。オオヤマレンゲは国の天然記念物に指定を受けている種でありますが、近年、オオヤマレンゲ群生地の衰退が顕在化しており、要因の一つとしてニホンジカによる食害が考えられています。この対策として環境省では、シカの侵入を防ぐために防鹿柵設置等の取組を行っています。

 オオヤマレンゲの開花時期は5月から7月頃までであり、今回の調査では開花した美しい姿を見ることができました。また、近畿地方の最高峰である、八経ヶ岳(1915m)は視界が広がり素晴らしい眺望になります。登山道中には多くの植物や昆虫に出会うことができ、少しでも興味・関心を持っていただければ、より視野の広い登山ができるかと思います。

オオヤマレンゲ 八経ヶ岳

(オオヤマレンゲ)              (八経ヶ岳からの景色)

*現在、弥山小屋は宿泊可能ですが、コロナウイルスの影響で寝袋は持参となります。

天川村役場:http://www.vill.tenkawa.nara.jp/

 コロナウイルスの感染拡大に伴い、全国の山小屋なども一部、営業休止のところもあります。登山時においては、スポーツマスクの使用、前の人との間隔を空けるなど、感染予防の徹底をお願いします。また登山する際は、体調・体温状況の確認を行い、熱がある場合は登山を控えるようお願いします。感染予防の徹底をした上で、有意義な登山を楽しんでいただければと思います。