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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

2021年 丑(うし)年 スタート!

2021年01月07日
田辺 戸口協子

皆様、新年、明けましておめでとうございます。

田辺管理官事務所の戸口です。


2021年元日、田辺周辺では風が強く雲も多かったものの、太陽が顔をのぞかせてくれました。

さて、今年は丑(うし)年、ということで、吉野熊野国立公園で見られる「ウシ」に注目してみました。


まずは、陸で見られるウシ。これは「ウシハコベ」という植物です。

01_ウシハコベ(2020年12月撮影)
ウシハコベ

植物の名につく「ウシ」は、「大きい」という意味を込めて使われることがあります。下の写真で見てわかるように、春の七草の1つであるハコベ(ミドリハコベ)の葉に比べて、ウシハコベの葉の方が大きいことがわかります。12月末時点で田辺では花と実が同時に見られました。

02_ハコベとウシハコベ(2020年12月撮影) 03_ウシハコベの花と実(2020年12月撮影)
ハコベ(赤丸)とウシハコベ(黄丸) ウシハコベの花と実

次は、カマツカ(別名:ウシコロシ)です。

ウシコロシの名の由来は諸説あるようですが、牛の鼻に輪を通すための穴を空けるときの道具や、また鼻輪としてその枝を使ったことから、この名前が付いたようです。冬季は葉が赤く紅葉し、鮮やかな赤い小さな実はクリスマスリースなどにもよく使われています。

04_カマツカ(別名ウシコロシ)2020年12月撮影
カマツカ(別名:ウシコロシ)

次のはまさに、葉の形が牛の顔のシルエット。ミゾソバという植物で、別名「ウシノヒタイ」。

05_ミゾソバ(別名ウシノヒタイ)2020年12月撮影
ミゾソバ(別名:ウシノヒタイ)

今年の干支を表すのにぴったりなかわいい牛の親子に見えました!真ん中の子牛の額にはリボンのようなものが見えますが、これはウシノヒタイの花の一部で、全て咲きそろうと、こぺいとうのような形をしています。

06_牛の親子(2020年12月撮影)
牛の親子!?

また、白浜町の国立公園区域内には、地名に「ウシ」が入っているところがあります。南紀熊野ジオパークのジオサイトにもなっているシガラミ磯に隣接する「牛ヶ壺湾」です。この浜は全体的に小石によってできていて、波の動きにより水中でぶつかり合う小石のコロコロ・サラサラという音が耳に心地よいところです。

07_白浜町の牛ヶ壺湾(2019年10月撮影)
白浜町の牛ヶ壺湾

最後は海にいる「ウシ」です。角が牛の角に似ていることから、「ウミウシ(海牛)」と呼ばれています。吉野熊野国立公園の海域におけるダイビングでも人気者。カラフルでSNS映えし、動きがゆっくりなので、被写体には最適です。陸は寒くても海の中でウミウシたちは活発です。

08_天神崎のアオウミウシ(2009年3月撮影)
アオウミウシ(吉野熊野国立公園・天神崎にて。写真提供:山西秀明氏)

ほかにも身近なところに「ウシ」がつくものがあるかもしれません。自分なりの発見をしながら、吉野熊野国立公園の自然を楽しんでいただけるとうれしいです。

新たな年、2021年が、どうか皆様にとって良い年になりますように。