アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]
派遣授業「天川村の自然と環境」 in天川村立天川小中学校
2020年12月24日皆さま、こんにちは。吉野管理官事務所の早川です。
今年も残り僅かとなり、1年の早さに焦りを感じております。
日本には国立公園を含め、多くの自然の風景地があります。来年はコロナウイルスが収まることを信じて、北海道の利尻島に行きたいと考えています。
先日、奈良県の天川村立天川小中学校の小学5年生における森林環境学習の授業を担当させていただきました。授業テーマは、「天川村の自然と環境」とし、5限目はアクティブレンジャーの役割、鹿の食害による防鹿柵の設置など環境省の取り組みについて説明を行いました。授業途中には、子鹿とツキノワグマの剥製を見て生徒たちは興味津々でした。野外では、聴診器とルーペを使い樹木の観察を行いました。当日は、寒波により雪がちらつく日でしたが、子供たちは積極的に野外観察を取り組めていました。
天川村は標高が高く冷涼な気候であり、平地より3~5度程低いため避暑地としても親しまれています。また、村内にある洞川地区は温泉地としても有名であり、冬の奈良では珍しく雪が積もる温泉街として知られています。
(国立公園の説明) (子鹿、ツキノワグマの剥製)
野外における樹木の観察では、聴診器を使い樹木の鼓動や水を吸い上げる音を体験しました。また、ルーペで葉の形や葉脈(常緑樹と落葉樹)を観察し、樹木によって葉のつき方の違いや肉眼では確認できない葉脈を見ることができました。生徒たちは、改めて樹木は生きていることを肌で感じることができたと思います。
(聴診器での観察) (ルーペの葉脈観察)
6限目は、「私は誰でしょうゲーム」を行いました。二人組のペアを作り、質問をそれぞれ3回までとし、背中に付いている動植物のカードを当てるゲームになります。普段、勉強している動植物の知識を生かし、生徒たちは次々と正解を出し、大盛り上がりとなりました。
まとめの授業では、樹木の光合成や呼吸の仕組み、森林の役割では水源涵養、土砂災害防止など様々な機能があることを説明しました。生徒たちには少し難しい内容になりましたが、必死にメモも取りながら真剣に聞くことができていました。
また、国立公園計画図を用いて吉野熊野国立公園が天川村のどの場所に含まれているか、確認をしました。生徒たちは実際の国立公園計画図を見て、自分たちの住んでいる家の近くにも国立公園が含まれていることがわかり、驚いた表情をする生徒が多く、より身近に国立公園を感じてもらえたと思います。
今回の授業を機に生徒たちが天川村の身近な自然環境や動植物の生態について興味を増やしてほしいと思うと共に、美しい景観が残る吉野熊野国立公園の魅力を多くの人に知ってもらえるよう今後より一層発信していきたいと思います。
(私は誰でしょうゲーム)