アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]
山陰海岸ジオパークトレイルを歩こう!
2020年11月10日みなさまこんにちは。竹野自然保護官事務所の久畑です。
近畿自然歩道の巡視に行ってきたので、その紹介をしたいと思います。
今回巡視したコースは今年全線開通したロングトレイル「山陰海岸ジオパークトレイル」のルートにもなっています。
このトレイルは鳥取・兵庫・京都の3府県の海岸沿いを歩く、全長230.9kmの日本で3番目(日本ロングトレイル協会加盟トレイルの中で)に長いルートとなっています。山陰海岸国立公園を端から端まで横断し、見どころを隅々まで見ることができます。
今回のコースは兵庫県香美町のしおかぜ香苑から柴山駅まで約10km、高低差約145mと難易度が高めです。
まずはスタート地点のしおかぜ香苑から車道沿いを歩き今子浦へ進みます。かえる島を見ながら大引の鼻展望台へ寄り道しました。
展望台は少しだけルートから外れますが、とても綺麗な景色を見ることができます。
(海を向いているかえる島) (展望台からの景色)
ここからがこの日の本命、近畿自然歩道として整備された未舗装路です。近畿自然歩道の標識にある時計の針のような矢印がジオパークトレイルのサインです。これにしたがって先ほど展望台から見た山を尾根伝いに歩いて行きます。
(近畿自然歩道の標識と矢印) (木のトンネル)
山の中は倒木を跨いだりくぐったり、斜面をよじ登ったりと思わず童心に返ってしまう大変ワイルドなコースでした。
時折見える景色と吹き上がってくる風に海を感じながら歩きます。
稜線沿いには見晴らしの良い場所があります。
崖なので怖くてあまり近づけませんでしたが柵がないためすごい開放感です。
振り返ると歩いてきた尾根と荒々しい岩の山陰海岸らしい景色を見ることができます。このコースの海岸側は国立公園のなかでも特に厳格に保護するべき景観として、特別保護地区に指定されているエリアになります。
(振り返ると見える尾根と海岸線)
森の中で少し平坦なところがあると、どこが道なのかとたんにわからなくなりますが、ジオパークトレイルの目印のテープや、標識があり安心でした。
(ルート標識) (目印テープ)
しかしところどころでテープが外れているところがあるなど、継続的に安全に利用するには維持管理が重要だと改めて感じました。
海岸から離れ山を下り始めると突如大きな穴が!洞窟か防空壕か坑道か、想像力がかき立てられます。そして山間からのぞく港町にゴールが近いことを感じ残念なような、少しほっとした気持ちにもなりました。
(目前の土壁に穴が) (山間から見える港町)
決して歩きやすいわけではなく全線通じて動物の気配を感じる野性味あふれるコースでしたが、ありのままの大自然を楽しみたい方にはとても満足できるコースだと思います。
利用者が増えるよう今回気付いたことを関係機関とも共有し、よりよいコースになるよう協力していきたいです。
また11月末までトレイルの開通記念キャンペーンが行われていますので、この機会に歩いてみてはいかがでしょうか?
コースのうち、いくつか通行止めになっている箇所もありますので、歩かれる際は事前に山陰海岸ジオパークのホームページ(下記リンク)などでコースを下調べし、装備を整えてからご利用ください。
歩くからこそ見える景色もある☆
それではまた次回。
<リンク>
山陰海岸ジオパークトレイルページ