アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]
吉野熊野国立公園 鹿島における海岸パトロール
2020年09月16日皆さま、こんにちは。
田辺管理官事務所のアクティブ・レンジャー戸口です。
9 月に入り、日中はまだ暑い日もありますが夜に聞こえる虫の声はすっかり秋になってきましたね。
さて、8 月31日に和歌山県みなべ町の南部湾に浮かぶ鹿島(かしま)へ海岸パトロールに行ってきました。
南部湾に浮かぶ鹿島 |
鹿島は埴田漁港の南西約1.2kmに位置する無人島です。周囲約4㎞、面積2.6haの小島で、もともと南北2つの島に分かれていましたが現在は砂州でつながって1つの島になっています。宝永と安政の大地震の時には、鹿島が大津波を2つに分けてみなべの街を救ったとのいわれがあります。南側の島の中央部には鹿島大明神が祀られ、島全体が信仰の対象とされています※。
鹿島大明神にご挨拶 |
この島には、環境省レッドリストで絶滅危惧ⅠB類となっている「ウチヤマセンニュウ」という鳥が繁殖のために春から秋にかけてやってきます。今回の上陸でその姿を写真に収めることはできませんでしたが、「チュピチュピチュピ」というかわいらしいさえずりを何度も聞くことができました。派手さはありませんが、小さくすばしっこい鳥です。
(参考)ウチヤマセンニュウ 〔吉野熊野国立公園・新宮市孔島にて:写真提供 中井 節二〕 |
このように鹿島は希少な鳥類の繁殖地となる貴重な海岸林を有していることから、周辺の海岸域とともに吉野熊野国立公園に指定されています。この自然環境を将来にわたって残していくために、今回の海岸パトロールでは、国立公園及びその周辺地域における利用状況の見回りや利用者への適正な利用についての普及啓発を行いました。また併せて清掃活動を実施しました。
パトロールの様子 | 回収したゴミ |
今回、回収したゴミの中にはバーベキューの網が複数ありました。バーベキューの網をはじめ、大量生産、大量消費で安価で手に入るようになったものは、使い捨てが目立ちます。使い捨てという利用の仕方は環境への負荷が大きく、循環型社会を目指す今、改めて立ち止まって考え直さないといけませんね。
自然の中で思いっきり楽しみ、持ってきたものは思い出と一緒にすべて持ち帰る。小さな意識の積み重ねにより、将来にわたってみんなが心地よく、楽しめる自然を維持していきましょう。
※ 鹿島への行き方については、みなべ観光協会のホームページをご参照ください。なお、鹿島は私有地です。島内ではマナーを守って楽しみましょう。