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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

「串本潮岬自然観察会」開催のご報告です!

2019年12月16日
熊野 内橋未裕

 皆さま、こんにちは。吉野熊野国立公園管理事務所の内橋です。

とうとう冬到来!という感じですね。今まで軒下に巣を張り獲物を待ち構えていたジョロウグモが、忽然(こつぜん)と姿を消していることに最近気づきました。冬の訪れを察知したのでしょうか?実はジョロウグモの寿命というものは短く約1年で、冬までに卵を産み、親グモはその寿命を終えます。私が見つけたジョロウグモも、卵を産みにどこかへ消えてしまったのでしょうか。少し寂しい気持ちを1匹のクモは残していきました。

 さて、クモの話はさておき。去る12月7日(土)に「串本潮岬自然観察会~海岸に現れた白線と貝の浜ができた理由~」が開催されました。潮岬には、観光タワーや灯台、望楼(ぼうろう)の芝があり観光客が訪れる場所となっていますが、今回はこういった観光名所や本州(・・)最南端(・・・)()潮岬というイメージだけではない、ダイナミックな自然を知ってもらおうという試みで行われました。

潮風の休憩所集合(2019年12月7日) 白蝶貝と木曜島の歴史解説 クイズ形式で解説(2019年12月7日)

     潮風の休憩所集合        白蝶貝と木曜島の歴史解説        クイズ形式で解説

 この日は、南紀熊野ジオパークガイドの方が講師・案内役を勤めました。「潮風の休憩所」で集合し、休憩所内の展示で白蝶貝と木曜島の歴史を紹介した後、望楼(ぼうろう)の芝から続く森へ足を進めていきます。そこから大小様々な砂利石がゴロゴロしている潮岬灯台周辺の磯辺まで下りました。奇岩や磯の成り立ち、岩質の解説を交えながら(しお)御岬(のみさき)神社や(くじら)山見(やまみ)、貝殻が浜一面に積もるオゴクダの浜を回りました。

解説からは、普段何気なく目にしている岩にも種類があり、それぞれどういう出来方をしたのか、その何千万年という歴史が感じられ、皆さんから感嘆の声が上がりました。また、「潮岬は訪れたことがあるが、ここまで降りたことはない。」など、初めて足を踏み入れた方が多かったようです。

砂利浜と奇岩(21019年12月7日) 集合写真(2019年12月7日) オゴクダの浜(2019年12月7日)

     砂利浜と奇岩            集合写真             オゴクダの浜

この日は、朝から雨模様で開催が危ぶまれましたが、運良く曇りのまま一日を終える事が出来ました。今回訪れた磯辺は、潮の満ち引きの関係や天候で様子が変わるので、この地を訪れる際は十分お気をつけください。