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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

冠島とオオミズナギドリ【上陸編】

2019年09月12日
山陰海岸国立公園 派谷 尚美

 皆さま、こんにちは。竹野自然保護官事務所の派谷です。

 今回は、若狭湾に浮かぶ美しい島と、そこに生息している「オオミズナギドリ」という海鳥についてお伝えします。

冠島(かんむりじま) オオミズナギドリ

       冠島(かんむりじま)             オオミズナギドリ        

 京都府舞鶴市の沖に、冠島(かんむりじま)という無人島があります。島は原生的な自然林で覆われていて、周囲は一部を除いて崖となっています。

 冠島は、オオミズナギドリの繁殖地として国指定鳥獣保護区に指定されています。日本海側では最大級の繁殖地です。上陸が厳しく制限されている島ですが、9月上旬に生息状況調査に同行し、島やオオミズナギドリの状況を確認することができました。

海上自衛隊による輸送支援 ゴムボートで上陸

 冠島への往復は、海上自衛隊による輸送支援の協力をいただきました。島の近くまで船で進んでから、ゴムボートに乗り換えて上陸しました。

オオミズナギドリの巣穴

 島の奥へ進むと、地面の至る所にオオミズナギドリの巣穴がありました。冠島には推定20万羽のオオミズナギドリが生息しており、森の中は巣穴だらけです。一見穴がないように見えても、上だけが塞がっていてその下は穴になっていたりするので、気を付けて歩いていても穴を踏み抜いてしまうことがあるほどです。

オオミズナギドリが登った跡

 オオミズナギドリは、傾斜した木や崖上などの高い所から、落下する加速を利用して飛び立ちます。このマツの木は、たくさんのオオミズナギドリが登るために樹皮が剥がれていました。

巣穴の中に雛を発見

 程なく、オオミズナギドリと出会いました。成鳥は海へ出ていて巣穴を留守にしていましたが、雛が残っていました!上の写真で、穴の中に灰色の毛玉が見えますね。これが雛なのですが、記事が長くなってしまったので次回に続きます。

 次回はオオミズナギドリ雛のかわいい姿・・・必見です!