アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]
よしくまの春
2019年02月28日皆さん、こんにちは。田辺自然保護官事務所アクティブ・レンジャーの中村です。
春の訪れを感じる今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。事務所周辺では梅の花が咲き、蜂たちが花粉を集める姿が見られ、ほのかに梅の香りが漂っています。周辺の梅林も多くの観梅客で賑わっています。
「一目百万、香り十里」とも呼ばれる梅林を是非、皆さんにもご覧頂きたいと思います。
梅林情報は下記のURLからご覧下さい。
南部梅林開園情報
https://www.minabe-kanko.jp/topic/3224
紀州石神田辺梅林開園情報
http://www.tanabe-kanko.jp/event/kanbai/
南部梅林 花粉を集める蜂達
さて、今回は紀南地方に春の訪れを感じさせるカスミサンショウウオの産卵について紹介したいと思います。
カスミサンショウウオは全長10センチ程の両生類で、日本固有種です。西日本の平地から丘陵地にかけて分布し、主に農耕地や水辺周辺の雑木林に生息しています。12月頃から3月にかけて浅い水辺で産卵をし、5月頃までにふ化します。この時期、田辺市稲成町にある「ふるさと自然公園センター」の周辺では、水草等の茎に巻きついたひも状の卵囊と産卵に来た成体を観察することができます。
カスミサンショウウオ
よく見ると、つぶらな目と小さな手が可愛らしくてじっと見つめてしまいます。産卵が終わると普段は山の中で暮らしているので、あまり姿を見ることができません。この時期だけの貴重な姿です。卵囊はぷるぷるとした感触で中には沢山の卵が見えます。少し動いているものもありました。
カスミサンショウウオの卵
今年も沢山の卵を確認することができ、大変嬉しかったです。
皆さんもよしくまの春を満喫しにお出かけください。