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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

この日何の日

2018年09月07日
吉野熊野国立公園 青谷 克哉

Q「なぜ、あなたはエベレストに登りたいのですか?」

A「そこにエベレストがあるから。」

登山家のジョージ・マロリー氏が言ったとされる有名な台詞です。日本では「そこに山があるから。」で知られていると思います。山に登るのも良いですが、遠くから眺める方が好きな吉野自然保護官事務所の青谷でございます。

さて、既に過ぎてしまったのですが、8月11日は国民の祝日「山の日」でした。平成28年から新たに祝日として加わった「山の日」。海の日の親戚のように聞こえる「山の日」とは、そもそもなんぞや?という人もいるのではと思い、僭越ながら今回は「山の日」について少しだけ紹介をさせていただきます。

山の日とは、国民の祝日に関する法律によりますと、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する。」とあります。吉野自然保護官事務所管内には大台ヶ原や大峰山系、近畿地方環境事務所管内まで広げれば那智山や六甲山などが加わり、国立公園外を見渡せば、ご近所には金剛山、葛城山など山は身近に沢山存在しています。それもそのはずで、日本は国土の7割ほどが山地となっているのです。半分以上が山!これは、山と関わらないというのは不可能です。

奈良県天川村 弥山の国見八方覗きからの風景                弥山の国見八方睨からの風景(大峰山)

 古来より、人は山から様々な恵をいただいてきました。薪や建材など木材としての木、キノコや山菜、獣肉などの食料。また、水源地は山に多く、その水は川になり田畑と私達の喉を潤します。登山などのアクティビティを楽しめる場としての利用もあります。

 他にも、信仰や修行の場にもなったり、神様の逸話や妖怪話などなど、人は山や自然に対し畏敬、畏怖の念を持ってきました。

 山中の森林や頂上からの眺めは神秘的であり、荘厳な雰囲気を醸し出しているものもあるので、そのような念を抱くことに疑問はありません。私がこの地に着任以来1番素晴らしいと感じた風景は、山上ヶ岳から見た日の出でした。

山上ヶ岳日の出

               山上ヶ岳宿坊近くからの風景(大峰山)

やはり、山からの日の出は登ってみて実際に見ていただきたいです。

 このように、我々は海と同じく山とも切っても切れない縁で繋がっていると言えるでしょう。来年の「山の日」には、そんな山に対して少しでも思いを馳せていただければと思います。