アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]
「よしくま」の自然情報
2018年07月31日こんにちは 熊野自然保護官事務所アクティブ・レンジャーの岩田です。
植物の名前には、その植物を発見した人名、発見された地名、生育場所の特徴、形態など様々な由来があります。
今回は、名前に「ハマ」がつく植物をご紹介いたします。
太平洋に面した吉野熊野国立公園には、海岸沿いに「ハマ」のつく名前の海岸植物がたくさん生育しています。
「ハマ」がつく植物は、海岸沿いに多く生育し、波や潮風などの影響を受けても耐えて丈夫に育つことができる植物たちにつけられた名前です。実際に触ってみると、塩分や乾燥に耐えられるように葉に厚みや毛があったり、強い潮風に耐えられるように葉が少し小さかったり、草丈が低かったりして、それぞれがその場の環境に適応できるような形態になっているということがわかります。
和歌山県新宮市三輪崎(みわさき)にある孔島・鈴島(くしま・すずしま)では、多種多様な生物の中にハマヒルガオ、ハマウド、ハマアザミ、ハマナタマメ、ハマボウ、ハマゴウ、ハマエンドウ、ハマオモト、ハマヒサカキ、ハマダイコン、ハマナデシコ、ハマカンゾウ、ハマボッス、ハマナツメ、ハマエノコロなど名前に「ハマ」のつく多くの植物が生育し、花や実などを四季それぞれに観察することができます。
みなさんは写真の「ハマ」のつく名前の植物を観察されたことありますか。
紹介した植物のほかにもまだまだ名前に「ハマ」のつく植物はありますが、身近なところで観察できる「ハマ」のつく植物を探してみてください。
孔島・鈴島は、野鳥の絶滅危惧種であるウチヤマセンニュウの繁殖場所としても知られ、野鳥や植物の観察会も開催されています。また、地域の方々の散策、憩いの場としても利用されていて、すばらしい自然環境を保全するために地域で清掃活動が毎年行なわれています。
みなさんも「よしくま」にお越しの際には、磯の香り漂うこの孔島・鈴島にぜひ、お立ち寄りください。
孔島・鈴島 (野鳥&植物観察会の様子)
孔島・鈴島の海岸 (南紀熊野ジオパーク・ジオサイト)
孔島の海岸造形 鈴島の奇石