アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]
地質の日記念イベント「吉野熊野国立公園 県境の渓谷美『大蛇行』訪ねて!」
2017年06月26日熊野自然保護官事務所 アクティブ・レンジャーの岩田です。
「第10回地質の日記念イベント」として、「吉野熊野国立公園 県境の渓谷美『大蛇行』を訪ねて!」を和歌山県新宮市熊野川町嶋津で開催しましたので、その様子を報告させていただきます。
「地質」とは、私たちの住んでいる大地の地層、岩石、土壌などの性質のことを言います。2007年に地質関係の組織・学会が、私たちの生活とつながりの深い地質への理解を高めてもらおうと5月10日を「地質の日」と制定し、その前後1カ月の間、全国各地で地質に関する様々なイベントを実施しています。
特徴的な地質を備えた吉野熊野国立公園の熊野地域では、毎年地質の日を記念したイベントを行っており、記念すべき10回目の今回は、過去に最も人気が高かった三重県と和歌山県の県境を蛇行しながら流れる北山川の「大蛇行」の新緑の渓谷美を楽しんでいただく内容を企画しました。地元だけでなく、遠く神戸や大阪、岐阜からも多数の応募を頂き、キャンセル待ち続出となりました。
当日は、開会式の後、北山川沿いの嶋津の河原に出て、講師から断層や地層の説明を聞き、かつて人が住んでいたとされる嶋津の森や南紀熊野ジオパークのジオサイト「嶋津の筏師の道」を通り、北山川の大蛇行の展望ポイントを目指しました。山中では岩石をハンマーでたたいて、柔らかさや音の違いを確かめました。7,000万年前にできた岩石は高い金属音が、1,600万年前にできた岩石は低く鈍い音が鳴り、地質の違いを体感しました。途中、5,400万年もの時間の隔たりがある板屋断層がありました。
昼食を挟み、約2時間で展望ポイントに到達し、大蛇行を眺めた参加者は、「想像以上に大蛇行が大きくて驚き、感動した。」「来られてよかった。また来たい。」と大好評を頂きました。
皆さんもぜひ、県境の渓谷美『大蛇行』を訪れてみてください。
講師の解説 ガイドの解説 | ||
集合写真 北山川の大蛇行 |