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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

北山川の筏下り(いかだくだり)

2017年05月10日
熊野 岩田佐知代

 皆さんこんにちは。熊野自然保護官事務所アクティブ・レンジャーの岩田です。

 新緑がまぶしい季節となりました。ゴールデンウィーク中の5月3日に和歌山県北山村で「筏下り(いかだくだり)」の開航式が行われましたので、皆さんにその様子をご紹介いたします。

 北山村は、三重県と奈良県に囲まれた"全国唯一の飛び地の村"です。古くから林業で人々の暮らしが成り立ち、かつては山から切り出した木材を和歌山県新宮市へ運ぶため、木材で筏を組んで北山川を流して搬出していました。

 その後、木材輸送は陸路に切り替わり、昭和40年代には筏流しは見られなくなってしまいましたが、昭和54年(1979年)に「観光筏下り」として復活しました。

 観光筏は、長さ4mほどの杉丸太を8本束ねたものを7床(とこ)つなぎ、全長は30mほどもあります。これを操るのは熟練の筏師3人。その巧みな櫂(かい)さばきで、吉野熊野国立公園を流れる北山川の美しい渓谷を急流と荒瀬の岩を避けながら下っていきます。

 大自然を満喫しながら渓谷を筏で下るスリルを味わうことができる「筏下り」を体験できるのは、全国でもここ北山村だけです。

 開航式では運行期間中の安全と無事故を祈願して関係者による玉串奉納の神事が執り行われ、その後、筏に乗り北山川の筏下りを満喫してきました。水しぶきを浴びながら激流を下るワクワク・ドキドキ・ハラハラ、この感動は体験しないとわかりません。皆さんもぜひ、「筏下り」を体験しに北山村へ足を運んでください。

     開航式で安全を祈願します             出発前スタンバイの筏
       筏下り出発です                激流を下ります