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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

『まちなかジオツアー』イベントの報告

2017年02月03日
吉野熊野国立公園 岩田佐知代

 こんにちは。

熊野自然保護官事務所アクティブ・レンンジャーの岩田です。

 1月22日(日)に吉野熊野国立公園指定80周年&拡張記念パートナーシップイベントとして実施された「吉野熊野国立公園に出かけよう!シリーズ第9弾~勝浦から太地へ~船で行こう!まちなかジオツアー」について報告させていただきます。

 ジオツアーの"ジオ"とは、私たちが住んでいる地域の地質、生活、文化、歴史等「地球の遺産」を保護しながら活用し、大地と人の暮らしの関わりを実感して楽しんでいただくジオパークのことで、2014年8月、南紀熊野ジオパークとして日本ジオパーク委員会に認定されました。まちなかジオツアーでは、南紀熊野ジオパーク地域の様々な団体が実行委員となり、地形や地質、防災などのジオパークの要素を取り入れて、地域の活性化や郷土の誇りにつながる自然、文化、歴史を伝えることを目的に企画されたツアーになります。

 今回は、かつて航路でつながっていた那智勝浦町と太地町間をジオクルーズし、両町の文化を学びました。

まず、那智勝浦町の勝浦卸売市場で、マグロが沢山並ぶ競り市を見学です。生マグロの水揚げ日本一の町ならではの光景に、22名の参加者は興味津々で競りの様子を見ながら、ガイドからマグロの種類や漁法など熱心に聞いていました。

 移動の途中には、足湯を発見。温泉も南紀熊野ジオパークの貴重な資源なので、ガイドから解説がありました。

 その後、紀の松島観光船でジオクルーズ。海から、火成岩や堆積岩からなる山々を眺めながら太地町へ移動しました。

 船着き場では、太地町のゆるキャラ「ゴン太くん」のお出迎えに大喜び。約400年の伝統ある古式捕鯨の町、太地町を訪ね歩きました。()()とう燈明崎(とうみょうざき)では、クジラを見つけたときに使われた()狼煙場(のろしば)で伝達法、漁法について解説を聞いた後、青い海の眺めを横に楽しみながら、フカフカに苔むした早春の近畿自然歩道(カンドリーロード)を梶取崎(かんどりざき)まで歩きました。その後、地元のグループ「たいジオ。」のメンバー特製のマグロとクジラを使ったジオフード弁当をおいしくいただきました。捕鯨をする漁師さんが住んでいた集落(岩門(せきもん)())や古式捕鯨の町ならではの鯨の骨で作っている鳥居を歩きながら見て、参加者は「鯨のあごの骨?すごいね~」と驚いていました。

 このジオツアーで、日本遺産にも認定された鯨の町「太地町」の捕鯨文化や、生マグロと温泉の町「那智勝浦町」の漁業文化を知り楽しんでいただくことができた1日となりました。

勝浦卸売市場でのマグロの解説 ジオクルーズの船上からの眺め
太地町のゆるきゃら「ゴン太くん」 捕鯨母船の前で記念撮影
フカフカの苔のカンドリーロード 鯨の骨で作っている鳥居