アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]
成ヶ島クリーン作戦
2016年12月26日
神戸
成ヶ島は淡路島の東側、大阪湾の入り口に位置し、別名「淡路橋立」とも呼ばれる
南北3kmにわたる砂州が特徴的な島です。この砂州や塩沼湿地は、海岸性生物の
貴重な生息地となっています。
一方で成ヶ島は海流の関係から、大阪湾を漂流したゴミの吹き溜まりとなりやすく、
常に漂着ゴミに悩まされている島でもあります。普段から「成ヶ島を美しくする会」の皆さんが
清掃活動をして下さっていますが、台風の後などは特に大量のゴミが打ち上がってしまいます。
このようなゴミを人海戦術で一気に清掃するイベントが「成ヶ島クリーン作戦」です。
12月3日に開催された「成ヶ島」クリーン作戦には、地元の由良中学校の生徒・保護者・成ヶ島を美しくする会、公共機関、関係団体など多くの方が参加し、総勢250名ほどになりました。
開会式 | 浜辺に打ち上げられたゴミ |
ゴミ拾いできれいになった浜辺 | 集められた発泡スチロールゴミ |
発泡スチロールやペットボトル、プラスチックなどであっという間にゴミ袋がいっぱいになりました。集められたゴミは国土交通省の海面清掃兼油回収船「Dr.海洋」 に回収して頂きました。
中学生の保護者が「子どもたちは小学生のころから 成ヶ島を環境学習で訪れているし、毎年こうやってゴミ拾いを行うことで、その環境を身近に感じているはず。この子たちはきっと大人になっても、海やこのあたりにゴミを捨てることはしないと思う。」とおっしゃっていたのが印象的でした。
成ヶ島クリーン作戦は20年近くも続いており、地元の多くの方に支えられ、成ヶ島の自然環境が維持されていることを実感できる活動でした。
また、この機会に環境省が整備した園路標識 もきれいに塗り直してきました。成ヶ島にはこのような標識の他に、動物や季節の草花の紹介などを記した案内板 もありますので、島を訪れた際はぜひご覧下さい。