アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]
東お多福山で昆虫観察!
2016年09月28日みなさんこんにちは。
暑さも少し落ちつき、朝晩は過ごしやすくなってきた神戸からです。
先日、瀬戸内海国立公園六甲地域にある東お多福山にて、昆虫観察会を行いました。
台風が心配されましたが、初秋というにはまだ気温が高く熱中症が心配されるほどのお天気になりました。
観察会を行った標高697mの東お多福山は、市街地からも比較的アクセスしやすい場所にあります。
今回は伊丹市昆虫館から講師をお招きし、昆虫を観察しながら草原の生物多様性を感じ、東お多福山の新たな楽しみ方を発見してもらおう!という企画です。昆虫ということで小学生の親子連れの参加者が多いのかな、と思っていたところ、少年の心を忘れない元気な大人の方々に参加して頂きました!
【やる気に満ち溢れる参加者】
道すがら、色々な昆虫が見つかるたびに人の輪ができ、その昆虫の生態や見分けかたの解説をして頂きました。昆虫というと、「子どもの頃は平気だったけれど、大人になると苦手になった」という声をよく聞きます。私もあまり関心をもっているとはいえない時期がありましたが、山や川へ出かけるようになってからは、植物とともに自然と目に入ってくる存在になりました。そして、いつも行く場所に名前の知らない生き物がこんなにもいるなんて!!と興味がわくようになりました。
【熱心に解説を聞く参加者】
今回の観察エリアは、以前のススキ草原の景観を取り戻そうと、市民団体や研究機関等が協力してネザサの刈取りや植生調査を行っている場所でもあります。ネザサが優占していた場所も選択的に刈取りを行うことによって、ススキをはじめ他の様々な草原性植物が見られるようになり、またこの変化によって、カマキリやバッタ類といった昆虫をよく見かけるようになったと教えて頂きました。
その他にも、このネザサの刈取り活動にも参加されている、東お多福山ガイド養成講座の卒業生から東お多福山にまつわるお話をして頂きました。
左上:ツマグロヒョウモン♂ 右上:オオミズアオ 幼虫 左下:ルリモンハナバチ 写真ではわかりにくいですが、青色がとても きれいで最近「幸せを呼ぶハチ」として 人気沸騰中だとか。 |
今回、私は網を持つと狩猟本能が発揮されすぎるおそれがあったため、写真撮影に徹しましたが、たくさん見られたバッタ、イナゴ類の写真はうまく撮ることができませんでした。種を見分けることも、細部を写真撮影して拡大して判別しないと難しいうえに、名前もイナゴ、イナゴモドキ、ショウリョウバッタ、ショウリョウバッタモドキ・・・と惑わされるものが多く、こうしてわからないものを調べたりしているうちに、ずぶずぶと虫の世界にはまっていくのだな・・・と思いました。
これから秋が深まるにつれて、虫の鳴き声も色々聞けることと思います。耳を澄ませながら近くの野山にお出かけになってはいかでしょうか?
※今回の観察会では、観察のために捕まえた全ての昆虫をリリースしています。また国立公園内では昆虫採集
行為自体が禁止されているエリアもあります。マナーを守って国立公園をご利用下さい。