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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

【実施報告】第2回オカヒジキもどってこいこいプロジェクト

2016年06月09日
浦富 井原早紀

 皆さん、はじめまして! 4月から浦富自然保護官事務所のアクティブ・レンジャーになりました井原早紀(いはら さき)と申します。 浦富自然保護官事務所初のアクティブ・レンジャーとして、これから今まで知られていなかった山陰海岸国立公園の魅力をどんどん発信していきたいと思います! どうぞよろしくお願いいたします。

 さて、6月4日(土)に「第2回オカヒジキもどってこいこいプロジェクト」が山陰海岸国立公園熊井浜で開催され、浦富自然保護官事務所もお手伝いしました。

 このイベントは、近年熊井浜で繁茂している北アメリカ原産の外来植物であるオニハマダイコンを除去することで、オカヒジキに代表される昔から熊井浜で生きてきた地域特有の在来植物が少しずつ戻ってくるための手助けをするプロジェクトです。

 今年は2回目の開催で、昨年に引き続き「いわみガイドクラブ」と「くまやの自然を守る会」の主催で行われました。

       【浦富海岸の熊井浜】   

【観察の様子】

 まず最初に、絵を参考に、3種類の植物を参加者に探してもらい、特徴や違いを見つけてもらいました。

【熊井浜に生育するオカヒジキ・スナビキソウ・オニハマダイコン】

      

【3つの植物の違いを発表】

オカヒジキ:地面に這って生えている、葉や茎がぷっくりしている、"柔らかいつまようじ"

スナビキソウ:葉がザラザラで裏に毛がある、茎が太い、葉が巻いている

オニハマダイコン:葉に厚みがありツルツルしている、冷たい、青臭い、上に伸びている

...といった特徴が出ました!

 鳥取県のレッドデータブックで準絶滅危惧(NT)に指定されているスナビキソウは、オニハマダイコンとよく似ているので、間違えて抜かないように葉の特徴などの見分けるポイントを学びました。

【講師:清末先生の解説】

「ただ図鑑で見て学ぶより、直接植物に触れて、自分たちの目で見つけた特徴の方がよく分かるし、覚えやすいね」

 3種類の植物それぞれの違いを知り、早速オニハマダイコンの除去と海岸のゴミ拾い作業スタート!

 除去したオニハマダイコンの重さと株数を量り、生育しているオカヒジキの株数も数えました。

昨年と比べた結果、

2015年5月30日              今年(2016年6月4日)

オカヒジキ(在来植物)   13株      →      196株

オニハマダイコン(外来植物)64.4㎏     →      21.7㎏(2,284株)  

...となりました。昨年と比べて、オニハマダイコンは少なくなり、オカヒジキはたくさん見つかりました。これは活動の効果が出ているのではないでしょうか!

 活動の効果が出ているかどうかは、このイベントを継続的に実施して、結果を記録し続けていくことで分かっていくと思います。今後もこうした取り組みを続ける必要があると感じました。

 参加者の皆さんとも「来年もまた会いましょうね!」と言って別れました。

 熊井浜は、白い砂浜と青い海がとても美しい自然海岸なので、鳥取に来られた際はぜひ立ち寄ってみてください。そして、足元で育っているオカヒジキやスナビキソウを観察してみてくださいね♪


みなさんお疲れ様でした!!