アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]
成ヶ島クリーン作戦
2015年12月10日あっという間に今年も残すところ3週間ほどとなり、やらなければならいことが
頭をかすめる今日この頃です。皆さんはいかがでしょうか・・・。
大掃除もその一つだったりしますが、成ヶ島で年に1度実施される大清掃イベント
「成ヶ島クリーン作戦」に参加してきました。
成ヶ島は淡路島の東端にある、大阪湾の入り口に位置する島です。南北に約3kmにわたって
砂州が形成され、淡路島側には塩沼湿地があり、海岸性の動植物の貴重な生息地となっています。
そんな自然豊かな島ですが、常にゴミ問題に悩まされている島でもあります。
対岸からの距離が短いため吹き溜まりのようになってしまい、多くのゴミが打ち上がってしまいます。
また外洋に面した浜にも海流や波の影響で、多くのゴミが打ち上がります。
普段から、成ヶ島を美しくする会を中心に清掃活動等はしていただいていますが、人海戦術で一気に
漂着ゴミを清掃するイベントが「成ヶ島クリーン作戦」です。このイベントは20年以上も前から
継続して実施されていて、由良中学校の生徒・保護者・成ヶ島を美しくする会、公共機関、関係団体と
多くの関係者が出席しています。今回も約200名という大勢の方が参加してのクリーン作戦となりました。
【ゴミの運び出し】 | 【Dr.海洋】 |
回収したゴミは、国土交通省近畿地方整備局の海面清掃・油回収船「Dr.海洋」に
積み替え運び出しました。
私がこのイベントに参加したのは今回が初めてでしたが、こんなにも多くの地域の方が、
身近な自然環境を守るために一団となって活動されていることに、驚きと心強さを感じました。
参加の由良中学校の生徒は、小学校の頃から成ヶ島の自然について環境学習をしているということで、
ただのゴミ拾いではなく、希少な動植物やその生息環境を守るために必要な行動だということを
十分に学習したうえでの活動だというお話を聞きました。
中には2世代にわたってこの活動に参加して下さっている方もおり、本当に地域の方々に
支えられて維持されてきた環境だということを実感しました。
若い人が地域のイベントに参加する、ということが少なくなってきているような時代ですが、
年長者の方から昔の身近な環境について話が聞けるよいチャンスかもしれませんね。
このようなイベントが増えていけばよいな、と思った一日でした。