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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

沼島子どもパークレンジャー 報告

2015年08月26日
神戸 高橋明子

 昨年度に引き続き、今年も子どもパークレンジャー事業を沼島で実施しました。

参加者の半数が地元沼島から、残り半数が淡路島や関西、中には関東からの参加者もいて、色々な地域の子ども達に瀬戸内海国立公園の魅力を感じてもらえるいい機会となりました。

 沼島の自然の魅力を大きく2つ挙げると、一つは国生みの伝説もある歴史や地質の特徴。もう一つは漁業資源に恵まれた海です。

 今回実施したプログラムをこの2つに分けて紹介したいと思います。

□歴史・地質

 神宮寺のご住職より、沼島の成り立ちや地質の説明をいただきました。日本列島で最初に誕生した「おのころ島」が沼島であるといった伝説があること、また一億年前の地球の「しわ」といわれる鞘型褶曲(さやがたしゅうきょく)が見られること、そのほか沼島にはたくさんの奇岩が見られることを教えていただきました。

 その特徴的な「岩」を体感しよう!ということで、今回はボルダリング体験を行いました。最近は街中でボルダリングジムを見かけることもありますが、自然の岩を相手にするのはみんな初めてということで、屋内で練習をしたのち自然の岩でチャレンジしました。

 【住職のお話】 【人工壁でボルダリング練習】
【屋外でのボルダリング体験1】   【屋外でのボルダリング体験2】



□漁業・魚料理体験

  2隻の船に分かれて乗船し、底引き網漁の体験を行いました。遠く南の方にある台風の影響で船が揺れたこともあり、網上げのお手伝いまではできませんでしたが、たくさんの魚が見えたときには歓声が上がっていました。獲れた魚について漁師さんから解説していただいたのち、今回獲れた魚のうちハモ、タイ、エビ、イカなどは講師の指導の下みんなで料理し、豪華な夕食になりました。また、海産物の加工場の見学も行いました。

【底引き網漁で獲れた魚】 【船上でしめられるハモ】
【魚調理体験1】 【魚調理体験2】
【夕食】 【海産物加工場見学】

 その他にも、竹を山から切り出して半分に割り流しそうめんをしたり(竹はみかねた?地元の方が飛び入りできれいに割って下さいました!)、海辺で拾った貝殻でクラフトをしたり、盛りだくさんの3日間となりました。

 どのプログラムも、沼島の自然があってこそのものだと強く感じることができたのではないかと思います。

【竹取り】 【取ってきた竹で流しそうめん】


 私からは沼島が国立公園に指定されていることと、国立公園はどんなところか、というお話をしました。

地元の子ども達にとっても、いつも当たり前にみていた景色が実は国立公園に指定されるぐらい素晴らしいものなんだということ、日々の暮らしと密接に関係していて、それを守ってきた地元の方のおかげで自然が残されていることを実感するいい機会になったと思います。

これをきっかけに、もっと身近な自然に目を向けて欲しいと思います。


 【沼島の自然にバンザイ!!】