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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

知られざる希少種[生物]

2015年03月24日
竹野 酒井 良明

季節は春分をすぎ、3月も終わろうとしています。

山陰は冬の観光の目玉であるズワイガニの漁期も終わり、海のシーズンまで一休みといった様子です。

梅も咲き、あたりはようやく春めいてきました。

海もずいぶんと穏やかになり、5月6月の海シーズンに向けてそろそろスノーケル器材等のメンテナンスを行わなくてはならないなと考えている今日この頃です。

ところで話は変わりますが、皆さんは「アベサンショウウオ」という生きものの名前を聞いたことはありますか?

アベサンショウウオとは京都、兵庫、福井、石川の1府3県に生息するサンショウウオで、いわゆる絶滅危惧種といわれる希少な生きものです。

竹野自然保護官事務所がある豊岡市、山陰地域では、希少な生きものというと真っ先にコウノトリの名前があがりますが、実はコウノトリと同じぐらい希少な生きものがこのアベサンショウウオなのです。

        

アベサンショウウオの大きさは大人でも9cmぐらい。とても小さな生きものです。

子どもはもっと小さくこのぐらいの大きさです。


地元の小学生に「アベサンショウウオっていうコウノトリと同じぐらい貴重な、小さな生きものが豊岡市にもいるのだよ」

と説明すると、はじめて聞いたという子やその小ささに驚く子も結構います。

(もっとも、小ささについては彼らの中では、サンショウウオというと豊岡市のマスコットキャラクターにもなっているオオサンショウウオ[下写真]のイメージが強すぎるせいもありますが・・・・)


地元にも余り知られていない種です。

ただ、知名度こそ低いものの、非常に希少な種であり、日本の両生類の中では最も絶滅に近いとされているとても大事な生きものです

そんな知られざる希少な生きもの「アベサンショウウオ」

皆さんも是非頭の片隅に名前だけでも留めておいてください。