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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

珍客現る【動物】

2014年12月18日
竹野 酒井 良明

皆さんこんにちは竹野の酒井です。

日本海には冬特有の荒波が押し寄せ、海岸にはいろいろなものが流れ着きます。

先日の新聞にも掲載されましたが、竹野町切浜に珍しい生き物が漂着しました。

それがこちら。

ダイオウイカです。世界最大の無脊椎動物兼世界最大の頭足類で、いわゆる深海生物というもので、有名ではあるが、生態がほとんど分かっていない生き物の一つです。

浜に漂着する生き物はかなりの確率で魚や鳥などに食べられてしまいますが、この個体はほとんど食べられずきれいな形で残っていました。

体長は330cmほど、胴回り110cmほど。

一般的な成人男性と比べるとこのぐらいのサイズです。

特に大きい個体だと体長は6mを越えることもあるようですので、ダイオウイカにしてはまだ小さい個体です。

これだけ大きいため、SFやファンタジー、パニックムービーなどで引っ張りだこの怪物、「クラーケン」のモデルになったとも言われています。

腕は非常に太く人の手首ほどもあり、吸盤も非常に大きいです。

ちなみに生き物が漂着すると食べられるかどうかを気にされる方もいらっしゃいますが、ダイオウイカは魚で言う浮き袋の代わりに塩化アンモニウムと言う非常にえぐく苦い物質を使って浮力調節をしているため、食用には適さないと言われています。

(ちなみに塩化アンモニウムの味というのは北欧の世界一不味いお菓子と有名なサルミアッキ、あの味です。)


昨年はリュウグウノツカイ、一昨年はアザラシと毎回冬が来るたびに珍しい海の生き物が流れ着いて来ましたが、どうやら今年はダイオウイカの年だったようです。

皆さんも時間のある時は海岸を散歩してみてはいかがでしょうか、時折こういった面白いものに出会えるかもしれませんよ?