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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

兵庫県山岳連盟 自然観察山歩

2014年10月06日
神戸
 みなさんこんにちは。
 非常に強い台風が日本列島を直撃しましたが、大丈夫でしたでしょうか。こちら神戸は夜中の雨風がものすごく、眠れない一夜を過ごしました。前回の台風は六甲地域の道路や登山道に大きな被害をもたらしたので、今回、被害の報告が入らないことを願っています。

 さて今回は9月に開催された兵庫県山岳連盟の自然観察山歩の様子をお届けします。お題は「六甲の隠れアルプス・新穂高を巡って」ということで、初秋の六甲を歩いて参りました。今回も47名と大勢の方が参加されていました。

神戸市立森林植物園からスタート



地図の読み方や登山道の由来・歴史も教えて頂きました

 この季節、コナラなどの葉と若い緑の実(ドングリ)がついたままの枝が落ちているのを見かけることがあるかと思いますが、その理由も教えて頂きました。

 みなさん、なぜだと思いますか?枝の切り口は、はさみで切ったかのようにスパッと切れています。そして落ちているドングリにはキリであけたかのような穴が開いています。

 実はこれ、チョッキリという昆虫の仕業です。チョッキリは長い口の先に丈夫なあごをもっています。これでドングリに穴をあけ卵を産み付けると、その名の通りチョキッと枝を切り落とすんです。はさみで切るようにすんなりとはいかないようで、切り落とすには何時間もかかるようですが・・・。卵から孵化した幼虫はどんぐりを食べて成長し、土の中でさなぎになり、羽化して地上生活をおくります。なんとも複雑な生態だなぁと聞き入ってしまいました。
写真を載せられればよかったのですが、撮ったものがすべてブレていまして・・・。公園や山に出かけたときは、ぜひ探してみてください!

 私からは、「国立公園の話と六甲山でも見られる不思議な生き物」ということで冬虫夏草を紹介しました。想像以上に参加者の食いつきがよかったため、またの機会に熱く語りたいと思います。

 さて、もう一つ気になったことを。
先日の台風と大雨の影響で、現在もいくつかの登山道が通行止めになっています。今回の登山ルートの中にも荒れてしまっていて、歩きにくい場所がいくつか見受けられました。これからの行楽シーズン、登山に行かれる方も多いかと思いますが、情報収集をしっかりして、時間に余裕をもってお出かけ下さい。





台風の影響で荒れてしまった登山道