アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]
オオミズナギドリ調査【動物】
2014年09月22日
竹野
皆さんこんにちは、竹野の酒井です。
先日、冠島で行われたオオミズナギドリ調査に同行してきました。
今回はその様子をお伝えします。
冠島は舞鶴沖にあるオオミズナギドリの繁殖地として国指定鳥獣保護区に指定されており、また国指定天然記念物でもあるため通常は上陸禁止の島です。春と夏には毎年調査隊が泊まりがけで鳥類調査を行います。
オオミズナギドリはいわゆる渡り鳥で、春から夏にかけて産卵と子育てを行うためにフィリピンの方から日本に渡ってきます。
オオミズナギドリというと、まず巣が特徴的なことがあげられます。
鳥の巣というと、木の上にある小枝や草等の固まりといったものをイメージされる方も多いと思われますが、オオミズナギドリはそれらとは違い、土に穴を掘って巣穴とします。
雛はこのような姿。ふわふわした灰色の羽毛で覆われています。
土中に巣(空洞)があるため、島内では巣を踏み抜かないように気をつけて歩くことが必要です。(これはうっかり踏み抜いてしまった巣穴にいた雛を撮影したものです)
ちなみに雛の親である成鳥はこのような姿です。
オオミズナギドリは陸から飛び立つときは斜面や崖などで助走が必要です。
ハトやスズメなどのその場で飛び立つことができる鳥とは違い、ある程度の速度の風を翼に当てないと飛びたつことができないのでしょう。
鳥類調査では主に足輪の調査を行っていました。
一時的にオオミズナギドリを捕獲し、ナンバーが記載された金属製の足輪を確認することによって、行動範囲や最初の捕獲からの年月を調べるという調査です。
オオミズナギドリは飛ぶためには助走が必要なため、飛んで逃げられるということはないのですが、島内は巣穴だらけのため、踏み抜かないように気をつけつつ、走り回るオオミズナギドリを捕まえなくてはなりません。
じっとしているオオミズナギドリに目線を合わせず、ヘッドライトの光(調査は夜に行われました)も当てず静かに近寄り、素早く捕獲すると良く捕まえることができるようです。
捕獲ができたらできたで今度はオオミズナギドリとの戦いがはじまります。
調査隊の隊長が説明していましたが、オオミズナギドリには適切なつかみ方というものがあり、そのつかみ方から外れると文字通り、痛い目に合うようです。
つかみ方はボールを持つように人差し指と親指でオオミズナギドリの頭をがしっと掴み、余った指で足を押さえるというもので、オオミズナギドリはかなり大柄で力の強い鳥なため、持ち方をまちがえたり、下手な捕まえ方をしたりするとくちばしで手を噛まれ、噛まれないように上手く頭を掴んでも足を押さえないと爪で引っかかれるとのこと。
また、足に気をとられて頭を押さえる力が緩むとくちばしで嫌と言うほど噛まれるようです。
調査隊のメンバーの中にはオオミズナギドリに噛まれすぎて手が傷だらけになっている人もいました。
今回の調査では計543羽のオオミズナギドリを調査し、そのうちの74%が足輪付きの再捕獲個体だったとのこと。
調査隊の隊長のお話では、再捕獲個体の数が増してきているのだそうです。
次回調査は来年の春になりますが、今回と次回を比べて、どのように調査結果が変化していくのか、楽しみですね。
といったところで今回はここまで。
先日、冠島で行われたオオミズナギドリ調査に同行してきました。
今回はその様子をお伝えします。
冠島は舞鶴沖にあるオオミズナギドリの繁殖地として国指定鳥獣保護区に指定されており、また国指定天然記念物でもあるため通常は上陸禁止の島です。春と夏には毎年調査隊が泊まりがけで鳥類調査を行います。
オオミズナギドリはいわゆる渡り鳥で、春から夏にかけて産卵と子育てを行うためにフィリピンの方から日本に渡ってきます。
オオミズナギドリというと、まず巣が特徴的なことがあげられます。
鳥の巣というと、木の上にある小枝や草等の固まりといったものをイメージされる方も多いと思われますが、オオミズナギドリはそれらとは違い、土に穴を掘って巣穴とします。
雛はこのような姿。ふわふわした灰色の羽毛で覆われています。
土中に巣(空洞)があるため、島内では巣を踏み抜かないように気をつけて歩くことが必要です。(これはうっかり踏み抜いてしまった巣穴にいた雛を撮影したものです)
ちなみに雛の親である成鳥はこのような姿です。
オオミズナギドリは陸から飛び立つときは斜面や崖などで助走が必要です。
ハトやスズメなどのその場で飛び立つことができる鳥とは違い、ある程度の速度の風を翼に当てないと飛びたつことができないのでしょう。
鳥類調査では主に足輪の調査を行っていました。
一時的にオオミズナギドリを捕獲し、ナンバーが記載された金属製の足輪を確認することによって、行動範囲や最初の捕獲からの年月を調べるという調査です。
オオミズナギドリは飛ぶためには助走が必要なため、飛んで逃げられるということはないのですが、島内は巣穴だらけのため、踏み抜かないように気をつけつつ、走り回るオオミズナギドリを捕まえなくてはなりません。
じっとしているオオミズナギドリに目線を合わせず、ヘッドライトの光(調査は夜に行われました)も当てず静かに近寄り、素早く捕獲すると良く捕まえることができるようです。
捕獲ができたらできたで今度はオオミズナギドリとの戦いがはじまります。
調査隊の隊長が説明していましたが、オオミズナギドリには適切なつかみ方というものがあり、そのつかみ方から外れると文字通り、痛い目に合うようです。
つかみ方はボールを持つように人差し指と親指でオオミズナギドリの頭をがしっと掴み、余った指で足を押さえるというもので、オオミズナギドリはかなり大柄で力の強い鳥なため、持ち方をまちがえたり、下手な捕まえ方をしたりするとくちばしで手を噛まれ、噛まれないように上手く頭を掴んでも足を押さえないと爪で引っかかれるとのこと。
また、足に気をとられて頭を押さえる力が緩むとくちばしで嫌と言うほど噛まれるようです。
調査隊のメンバーの中にはオオミズナギドリに噛まれすぎて手が傷だらけになっている人もいました。
今回の調査では計543羽のオオミズナギドリを調査し、そのうちの74%が足輪付きの再捕獲個体だったとのこと。
調査隊の隊長のお話では、再捕獲個体の数が増してきているのだそうです。
次回調査は来年の春になりますが、今回と次回を比べて、どのように調査結果が変化していくのか、楽しみですね。
といったところで今回はここまで。