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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

アルゼンチンアリ防除作業

2014年07月03日
神戸
みなさんこんにちは。
沖縄では梅雨明けが宣言され、その他の地域では梅雨明けが待ち遠しい時期となってきましたが、いかがお過ごしですか??東京の方ではゲリラ豪雨や雹が降ったというニュースがありましたが、こちらではあまり雨が降っていないように感じます。今後の渇水がちょっと心配な神戸です。と、書いていたら今日は久しぶりの雨になりました。

 さて、今回は日差しだけは夏を先取りしたかのような中行われた、アルゼンチンアリ防除の様子を紹介します。アルゼンチンアリとはその名のとおりアルゼンチンを原産地とする外来生物で、1993年に広島県ではじめて発見されて以来その生息域を広げています。このアリは、巣に多数の女王アリがいて繁殖力が極めて強く、競争力も強いため在来のアリを駆逐してしまうこと、土砂や物資の運搬に伴って広い地域に拡散してしまう恐れがあることから、「特定外来生物」に指定されています。大きさは2.5mm~3.0mmと小さいのですが、日本の「侵略的外来種ワースト100」にも入っている、在来種にとっては影響力が大きい要注意生物です。


アルゼンチンアリ

アルゼンチンアリ防除作業はベイト剤とよばれる、巣に持ち帰ってみんなで食べてあわよくば全滅!を狙う薬剤を等間隔に設置する作業、大量発生が確認された場所には薬剤散布作業、砂糖水をしみこませた脱脂綿をいつも調査しているポイントに置き、集まってきた数を数えるモニタリング作業の3本立てです。


上:ベイト剤設置
中:薬剤散布
下:モニタリング

この防除作業、その手を緩めることはできません。ひとたび中断してしまうと瞬く間に広がってしまい、今までの作業が無駄になってしまいます。地道な作業ですが継続していかなければならない作業です。ただ一方で、現場を見てみるとゴミが目立ちます。ジュースの空き缶やら、お弁当の食べかけのものまで様々です。こういったものは餌となりアルゼンチンアリ繁殖の一助となってしまう可能性があります。周辺環境の美化も欠かせないことだと感じました。


周辺に散乱するゴミ



その他にも、木の板をひっくり返すと散り散りに逃げて行ったGキブリとは正反対に、そこに鎮座していた外来生物も発見してしまいました。見るからに毒々しく危険な感じが。。。


セアカコケグモ(メス)



外来生物というと、アライグマやカミツキガメといったよくニュースに出てくる生物に注目が集まりますが、ふと足元をみてみると、そこにはすぐに手を打たなければいけない外来生物がいるかもしれません。外来生物の駆除は侵入を防ぐこと、侵入してしまった場合には早期発見、早期対応が被害を最小限にとどめるために不可欠です。普段の生活の中でもこのことを頭の片隅において、関心を持って頂けるとありがたいなと思います。

それでは今回はここまで。
また次回お会いしましょう。