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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

冬とヒイラギと魔除け

2013年12月11日
神戸
事務所の窓から見えていたルミナリエが終わり、いよいよ12月も後半に入ったことを実感しております。神戸自然保護官事務所の多賀です。皆様はライトアップお好きでしょうか?

ライトアップといえば、海を越えたアメリカでは、クリスマスは家単位でライトアップ大合戦が行われるそうです。一度は見てみたいものですね。私はクリスマスの時期の装飾ですと、いつもヒイラギのトゲトゲした緑の葉っぱと、対照的な赤い実を思い出します。



残念ながら手元にあったのは、先日の葉脈しおり作成で余った茶色いヒイラギの葉脈でしたが・・・(苦笑)

さて、子供の頃から、なぜクリスマスにヒイラギを飾るのか不思議に思っておりましたので、ちょっとこのあいだ調べてみました。

まず、ヒイラギは英語でホリー(Holly)と呼びますが、このHollyという名称と聖なるという意味を持つ言葉ホーリー(Holy)とは別に関係はなく、古英語のHolegnが起源なのだそうです。

ちょっと脱線しますが、なぜクリスマスにはさして関係なさそうな植物が飾られるようになったのかといいますと、古い習わしが原型になっているのだとか。ヒイラギはご存じのとおり、鋭いトゲがあります。この鋭いトゲは魔除けになるとして、窓辺や玄関に飾るという古い風習があり、その風習がそのままクリスマスのお祝いに取り込まれ、現代でもクリスマスの時期にはヒイラギが飾られているわけですね。もともとはクリスマスそのものが、古くからあったお祭りをキリスト教に取り込んだ祭事ですので、クリスマスにまつわるモノを検証していくと、実は様々な古い習わしがごっちゃになっているかもしれませんね。

それでは、ヒイラギの話に戻りましょう。

魔除けと聞いてピンときた人もいらっしゃるかもしれません。実は日本でもヒイラギは魔除けとして昔から用いられています。節分には柊鰯(ヒイラギイワシ)を門口に飾り、鬼が入れないようにする風習が日本各地でみられます。また、家の北東(表鬼門)の方角にヒイラギを植えると魔除けになるのだとか。

魔除けとして入口に飾るところや、冬の時期に飾るなど、まったく異なる国なのに類似した樹種で似たような習わしがあるなんて不思議ですね♪

おまけになりますが、ヒイラギは男性に幸運をもたらすと欧米ではいわれていますよ。

さて少々短い記事なりましたが、これをもって神戸自然保護官事務所からの2013年の投稿はおしまいです。今年も私の稚拙な文章をお読みいただきありがとうございました、是非また来年もご笑覧くださいませ!

年末にむけ、ますます忙しくなることと思いますが、皆様体調にはくれぐれもお気をつけください。

☆それでは、良いお年を☆