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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

真夜中の男だらけの儀式

2013年10月08日
吉野
みなさん、こんにちは!

もう10月だというのにまだまだ半袖で過ごせそうな日が続いております。そして、実際ほぼ半袖で過ごしています。しかしやはり10月です、朝晩は冷えます。
どうも、衣替えのタイミングを逃してしまいました、杉本です。

先月のことですが、戸閉式(とじめしき)に参加してきました。
戸閉式とはなんぞや?と思われる方も多いと思いますが、戸閉式の前にまずは戸開式(とあけしき)の説明からします。
戸開式とは、大峰山の護持院である龍泉寺・竹林院・桜本坊・喜蔵院・東南院と修験道の信者の代表として役講の岩組・光明組・三郷組・京橋組・鳥毛組・両郷組・井筒組・五流組の八つの講に洞川や吉野山の方々総勢200名以上が参列する儀式で、参列者達は午前3時に大峰山寺に集合し、今年度当番の護持院から役講へと大峰山寺の鍵を受渡しします。
その鍵は一尺以上もある(尺八が一尺八寸なので、尺八と同じぐらいの大きさ)巨大な鍵で、その鍵を持った人馬も含め色々な講の人馬が大峰山寺前の広場を駆け回り、大峰山寺の扉は開かれます。多くの信者が大峰山寺に流れ込み、国家安泰や五穀豊作、世界平和などを祈願し、夜明けを迎えます。

戸閉式も戸開式同様午前3時に多くの信者が大峰山寺に集合し、巨大な鍵を今年の当番の役講から来年度の当番の護持院に引き渡し来年度に控える儀式です。

そんな儀式に参加してきたのですが、当然午前3時に集合なので、保護官と私は戸閉式前日の午後9時頃からヘッドライトの明かりを頼りに真っ暗な登山道の中、大峰山寺を目指して歩いて行きました。信者さんの多くは前日の昼の内から大峰山寺まで登り、宿坊(修験者の方々の宿場。もちろん一般の方も利用できます)で午前3時まで休憩するそうです。

真っ暗な登山道途中にある茶屋の明かりが、なんだかとても暖かかったです。


真夜中の茶屋

日付が変わるぐらいに私たちは大峰山寺に到着したのですが、儀式は午前3時からなので、まだ人の気配は無く、しかしすることも無いのでその場で2人待機していました。9月とは言え、山の頂上で深夜ともなるとものすごく寒かったです。
ある程度寒さは予想できたので、防寒着を一枚多めに持ってきたものの、それを着てもまだ寒い、予備の雨具を更に着てもまだ寒い。完全になめていました。


真夜中の大峰山寺

ガタガタと震える二人は、我慢できず宿坊にお邪魔して、儀式の時間まで待つことにしました。

午前3時、こんなに居たのかと思うぐらい大勢の男性達が集まり、異様な雰囲気の中、いよいよ儀式が始まりました。先程まで寒かったのを忘れてしまうぐらい熱気むんむん。男気むんむん。


戸開式と戸閉式の時だけご開帳される役行者の秘仏もあり、とても神秘的で不思議な空間に包まれる儀式でした。
護摩焚も行われ、来年の戸開式までの国家安泰や世界平和などがご祈祷されていました。
今年度は戸開式に参加できなかったので、来年度は是非行きたいなと思いました。

といったところで今回はここまで。