アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]
死滅回遊魚という悲しい【動物】
2013年09月11日
竹野
皆さんこんにちは。
竹野の酒井です。
暑い暑いと言っていたことが嘘のように、最近は涼しくなりました。
いつの間にかベニズワイガニ漁も解禁されましたし、着々と辺りが秋になってきています。
竹野の海はといいますと浜の方は海水浴のお客さんの入りも落ち着き、夏前の静けさを取り戻しています。
さて、海中では8月の中頃からこのような魚が見られています。
ソラスズメダイ(空雀鯛)
オヤビッチャ(親美姫)
ハタタテダイ(旗立鯛)
一番上の写真はソラスズメダイ(空雀鯛)
スズメダイ科の魚で非常に綺麗な青色をしています。
個人的には竹野で見られる魚の中では最も色彩が美しい魚だと思っています。
真ん中の写真はオヤビッチャ(親美姫)
体の模様はイシダイに似ていますが、イシダイとは違い、背が黄色く、腹が白銀色をしておりその白銀から黄色にかけてのグラデーションが美しい魚です。
オヤビッチャもソラスズメダイと同じスズメダイ科の魚です。
一番下の写真はハタタテダイ(旗立鯛)
ハタタテダイはこの中では唯一のチョウチョウウオの仲間です。白い背鰭が旗を立てているように見られます。
個人的な感想ですが、ひょうきんな体の形をしていて面白いなと思う魚です。
白く長い背鰭も面白いですが、背鰭のつけ根から縦縞の模様に沿って体の後ろ半分を切り落とし、申し訳程度に尾鰭を付けてみました、といった様子のいびつな三角形の体をオヤビッチャはしており、どうしてそんな形になったのかと聞きたくなる体の形をしています。
3種の魚をご紹介しましたが、これらの魚にはある共通点があります。
一つ目の共通点は、今回紹介した魚はすべて熱帯魚です。
国内で熱帯魚を見るというと屋久島や沖縄、小笠原や八丈島等に行かなくては見られないというイメージがありますが、意外と日本海でも見ることができます。
二つ目の共通点としては、これらの魚は死滅回遊魚と呼ばれる魚たちである点です。
死滅回遊魚とは回遊することができないにもかかわらず、海流に乗って本来の生息地ではない地方まで流され、その場所では生きていけず、そのうち死んでしまう魚たちのことです。
これらの熱帯魚の場合は南方で生まれ、対馬海流にのって竹野までやってきますが、水温の低下に弱く、日本海の冬を越すことができません。日本海まで来たのは良いのですが冬になれば死んでしまいます。
行ったら行ったきりで帰ってこられずに死んでしまうという、ロシアのライカ犬を思い出すような、そんな悲しい生き物です。
さてそんな死滅回遊魚ですが、まだ竹野で見ることができます。
夏休みも終わり、秋になり、“夏シーズン”は終わってしまいましたが、まだ“スノーケルシーズン”は終わっておりません!!
この時期にしか見られない死滅回遊魚を見に、9月の連休は竹野を訪れてみてはいかがでしょうか?
竹野の酒井です。
暑い暑いと言っていたことが嘘のように、最近は涼しくなりました。
いつの間にかベニズワイガニ漁も解禁されましたし、着々と辺りが秋になってきています。
竹野の海はといいますと浜の方は海水浴のお客さんの入りも落ち着き、夏前の静けさを取り戻しています。
さて、海中では8月の中頃からこのような魚が見られています。
ソラスズメダイ(空雀鯛)
オヤビッチャ(親美姫)
ハタタテダイ(旗立鯛)
一番上の写真はソラスズメダイ(空雀鯛)
スズメダイ科の魚で非常に綺麗な青色をしています。
個人的には竹野で見られる魚の中では最も色彩が美しい魚だと思っています。
真ん中の写真はオヤビッチャ(親美姫)
体の模様はイシダイに似ていますが、イシダイとは違い、背が黄色く、腹が白銀色をしておりその白銀から黄色にかけてのグラデーションが美しい魚です。
オヤビッチャもソラスズメダイと同じスズメダイ科の魚です。
一番下の写真はハタタテダイ(旗立鯛)
ハタタテダイはこの中では唯一のチョウチョウウオの仲間です。白い背鰭が旗を立てているように見られます。
個人的な感想ですが、ひょうきんな体の形をしていて面白いなと思う魚です。
白く長い背鰭も面白いですが、背鰭のつけ根から縦縞の模様に沿って体の後ろ半分を切り落とし、申し訳程度に尾鰭を付けてみました、といった様子のいびつな三角形の体をオヤビッチャはしており、どうしてそんな形になったのかと聞きたくなる体の形をしています。
3種の魚をご紹介しましたが、これらの魚にはある共通点があります。
一つ目の共通点は、今回紹介した魚はすべて熱帯魚です。
国内で熱帯魚を見るというと屋久島や沖縄、小笠原や八丈島等に行かなくては見られないというイメージがありますが、意外と日本海でも見ることができます。
二つ目の共通点としては、これらの魚は死滅回遊魚と呼ばれる魚たちである点です。
死滅回遊魚とは回遊することができないにもかかわらず、海流に乗って本来の生息地ではない地方まで流され、その場所では生きていけず、そのうち死んでしまう魚たちのことです。
これらの熱帯魚の場合は南方で生まれ、対馬海流にのって竹野までやってきますが、水温の低下に弱く、日本海の冬を越すことができません。日本海まで来たのは良いのですが冬になれば死んでしまいます。
行ったら行ったきりで帰ってこられずに死んでしまうという、ロシアのライカ犬を思い出すような、そんな悲しい生き物です。
さてそんな死滅回遊魚ですが、まだ竹野で見ることができます。
夏休みも終わり、秋になり、“夏シーズン”は終わってしまいましたが、まだ“スノーケルシーズン”は終わっておりません!!
この時期にしか見られない死滅回遊魚を見に、9月の連休は竹野を訪れてみてはいかがでしょうか?