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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

またまたやってきた成ヶ島

2013年05月30日
神戸
近畿では梅雨入りしましたね。今年は自宅で梅干しを漬けてみたいと考えており、市場の梅の価格が気になっている神戸自然保護官事務所の多賀です。雨の季節をうっとうしく思われる方もいらっしゃるかと思いますが、この時期にはアジサイも映えますし、梅雨ならではの楽しみを見つければ中々楽しく過ごせるのではないでしょうか。

さて、最近山の話ばかり続いていたと思いますので、久しぶりに海について書きたいと思います。毎度おなじみ、淡路島の南部、成ヶ島へ行って参りしました。AR日記にて以前にも紹介されておりますが、成ヶ島は国立公園の中でも数少ない環境省所管地です。

「国立公園なら全部国が所有しているのではないの?」なんて思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は違います。国立公園のうちその25%強が私有地、12%強が公有地、残りの60%以上が林野庁所管の国有林となり、環境省所管地はわずか0.3%です。数字からしてわずか!ですね。

そんな稀有な成ヶ島に5月半ばに訪れました所、お花畑状態になっていました。花が咲けば実りもあるわけでして、こちらハマダイコンの実も沢山なっていました。




ハマダイコンはその名のとおり大根がそのまま浜で野生化したものらしいです。残念ながらその根っこはお店で見るような立派な大根には育たないそうですが。ところで、皆様ご存知でした?大根の実って食べられること。

ハマダイコンの実はですね、食べるとなんと「大根おろし」の味がするのです!そう、しかもなかなかピリリと辛味が聞いていて美味しい!水気もほどほどなので、是非とも焼き魚に添えて頂きたい逸品なのです。この時期にしか採れないというのが何とも惜しい!秋に焼き秋刀魚に添えていただきたい!

とまあ、食べ物にまつわる話はこれくらいにしておきます。

この日は成ヶ島の海岸沿いを見回りましたが、やはり漂着ゴミが目立ちます。




成ヶ島を美しくする会の方々が定期的に清掃活動を行ってくださっているので、ゴミの山にはなりませんが、半年も放置すれば海岸はゴミで埋め尽くされてしまうでしょう。




漁業・釣り関係道具、ペットボトルにコンビニ弁当の空き箱、車のタイヤはもちろん、他にも今まで見たことのあるもので石油ヒーター(の残骸)やバイクのヘルメットなども漂着していました。

漂流しやすいものでもこれだけありますので、海底はもっとすごいことになっているのではないでしょうか。大きいゴミについては、たまたまゴミの搬送中に海に落っこちてしまったのかなぁなどと呑気なことも思いましたが、現実的に考えると海へ投棄されたか、河川で投棄されたものでしょう。

瀬戸内海からは沢山の海の幸が取れます。ゴールデンウィーク中には潮干狩りに行かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。そのように日々の暮らしと密接している海の中へ、誰かがゴミをポイ捨てしていると思うと何だかやるせない気持ちです。

「不法投棄」と呼ばれるとおり、指定場所以外でのゴミの投棄は違反行為です。もしも皆様の周りでゴミの処分で迷っていらっしゃる方がいたら、必ず地元の自治体の手順に従うようアドバイスしてくださいね。

ちょっと暗くなりましたね。
それでは皆様、また次回まで♪